2010 Fiscal Year Annual Research Report
口蓋および歯の発生、形態形成への線維芽細胞増殖因子の役割の解明
Project/Area Number |
20592413
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
高森 一乗 日本大学, 歯学部, 講師 (60256899)
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Keywords | FGFシグナル / FGFR / 口蓋形成 / Kallmann症候群 / FRS2α / 歯牙形成 |
Research Abstract |
1)Kallmann症候群の歯科学的特徴 患者より提供された抜去歯を用いて咬合による影響を受けにくい歯頚部においてμCTにて詳細に検索を行ったところ、前歯においては対象者より石灰化の状態が低下している事が明らかとなった。一方、臼歯においてはその影響は少なかったが、歯質の厚みにおいては前歯ならびに臼歯ともに対象者に比べ薄い事が明らかとされた。以上の結果より、歯質の石灰化状態の不良ならびにエナメル質ならびに象牙質の厚みが薄い事が、本症候群の咬耗等の原因として考えられた。機能的な異常や、咬合の異常も考慮に入れる必要があると考えられ、今後症候群の患者の症例数を増やしさらに詳細に検討する必要があるものと考えられた。 モデル動物ならびにヒトにおける原因の究明と、その分子生物学的機構など詳細な検討を継続する必要があると考えられた。 2)FRS2α部分欠損マウスの遺伝子検索 昨年度、十分に検索できなかった遺伝子の発現量ならびに局在を,器官培養法等を応用してE12.5、E13.5、E14.5、E15.5、E17.5の各ステージにおけるその変化を検査したところ、細胞分化能の低下が本マウスの病態の原因と判明した。歯ならびに口蓋裂におけるその分子生物学的機構、下流の遺伝子制御に関しては本研究期間中には一部興味ある結果が得られたものの、その確証を得られるような結果はなかったが、現在成長因子、接着因子の発現差を中心に検討を続けている。その詳細が判明する事により、細胞内のFGFシグナルの役割がより鮮明になると考えられる。
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Research Products
(2 results)