2010 Fiscal Year Annual Research Report
二次口蓋融合におけるトランスフォーミング成長因子シグナリングの解明
Project/Area Number |
20592415
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中嶋 昭 日本大学, 歯学部, 助教 (50297842)
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Keywords | TGF-beta / 口蓋裂 / 二次口蓋 / 分子生物学 / 成長・発育 |
Research Abstract |
【目的】口蓋形成にTGF-β3が極めて重要な働きをしていることは、二次口蓋形成期の融合上皮にTGF-β3の強い発現が見られることからも推測される一方、演者らはマウス口蓋上皮を用いた器官培養系で、TGF-βのレセプターの一つであるTβRIIIをsiRNAで発現抑制した結果、二次口蓋融合遅延を認め、TβRIIIの口蓋形成における重要性を明らかにした。さらに、TβRIIのknock out mouseは、部分的な口蓋裂を呈していることから、融合に関与していることも知られている。しかしながら、TβRIIとTβRIIIとの関連性およびそのsignalingについては、十分に明かとなっていない。そこで、今回演者らは、NIH3T3細胞を用いてTβRIIおよびTβRIIIの情報伝達経路について検索した。【試料および方法】NIH3T3細胞は構成的にTβRIIおよびTβRIIIを発現しており、TβRIIおよびTβRIIIに対するsiRNAを用いて両receptorの発現抑制を行った。さらに、siRNA transfection条件下で10ng/mlのhuman recombinant TGF-β3を添加し,transcription factorの発現についてreal time PCR法にて検討を行った。【結果】TβRIIおよびTβRIIIの発現は、それぞれ100nM siRNA transfectionにより約70%の発現抑制が確認された。siRNA transfection条件下でTGF-β3刺激を行ったところ、TβRII/TβRIII double knockdownを行った細胞では、それぞれの受容体単独をknock downした場合に比較し、transcription factor、特にRunx2が抑制されていることが判明した。【結論】上記の結果、TGF-β3のTβRIIおよびTβRIIIへの結合により、両receptorの相互作用の関与によってRunx2遺伝子発現を介して情報伝達を行っている可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Protein kinase Cγ expression in the trigeminal subnucleus caudalis and upper cervical spinal cerord is involved in trigeminal neuropathic pain in rats2011
Author(s)
Nakajima A, Tsuboi Y, Suzuki I, Honda K, Shinoda M, Kondo M, Matsuura S, Shibuta K, Yasuda M, Shimizu N, Iwata K
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Journal Title
Journal of Dental Research
Volume: In Press
Peer Reviewed
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