2009 Fiscal Year Annual Research Report
パターニング技術によるマラッセ上皮遺残ネットワークの構築と歯周再生療法への応用
Project/Area Number |
20592423
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小牧 基浩 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (30401368)
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Keywords | ヒト歯根膜細胞 / 細胞転写技術 |
Research Abstract |
1歯周組織持機構における骨髄由来細胞の関与について 骨髄由来細胞の歯周組織への動員の有無を検討するためにGFP標識骨髄置換マウスモデルを作製し組織学的に検討した。歯周組織には恒常的に骨髄由来細胞が存在し、その数は組織侵襲に伴い顕著に増加した。骨髄由来細胞の組織恒常性についてこれまで他臓器では既に報告されており、私どもは新たに歯周組織における関与を明らかにした。歯周組織維持・再生には、組織幹細胞が重要な役割を演じると考えられていたが、我々の研究結果は、さらに骨髄細胞がこれに関与する可能性を示した。 2細胞転写技術の骨・再生への応用 我々はこれまでに細胞パターニングと細胞転写技術を用いてex vivoにて血管を構築し、下肢虚血モデルにおいて血流の回復と下肢運動の改善しうることを報告した。私どもは新たに短時間にシート状骨芽細胞の形成方法を確立しマウス頭蓋骨骨欠損に応用することで、コントロールに比して早期に骨欠損の完全閉鎖が起こることを確認した(現在、論文投稿中)。さらにヒト骨髄間葉系細胞、ヒト骨芽細胞についても同様の方法でシート状細胞が得られることを確認した。今後、ヒト由来細胞による骨再生を検討し、歯周組織再生、とくに歯槽骨再生と骨折治療への応用を目指す。 3セメント質由来タンパク(CEMP1)の発現・機能解析 DNAアレイを用いてCEMP1強発現ヒト歯根膜細胞における遺伝子の網羅的解析を行なった。CEMP1はこれまでに報告のあるセメント芽細胞関連遺伝子の発現に関与することが示された。また、骨芽細胞分化誘導は、歯根膜細胞におけるCEMP1発現を低下させること、CEMP1は、歯根膜細胞の骨芽細胞分化と石灰化を抑制することが確認された。FACSを用いてヒト骨髄幹細胞とヒト歯根膜細胞におけるCEMP1とその他分子の発現を比較した。CEMP1を指標にしたセメント質特異的マーカー同定について現在検討中である。
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Research Products
(3 results)