2009 Fiscal Year Annual Research Report
多機能分子としてのLL37の歯周炎予防と歯周組織再生における有用性
Project/Area Number |
20592430
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 秀樹 Hiroshima University, 病院, 講師 (60260668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 剛 広島大学, 病院, 助教 (80379883)
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Keywords | LL37 / 抗菌ペプチド / 歯周炎予防 / 歯周組織再生 / 歯周療法学 |
Research Abstract |
歯周病原性細菌(P. gW83, P. gS1, A. aY4, A. aJP2)に対するLL37(34-mer)、LL37(34-mer LL)、LL37(34-mer LLKKK)の抗菌作用を調べた。P. g2株(P. gW83, P. gS1)に対する抗菌活性では、2μg/mlのLL37(34-mer LLKKK)の活性が2μg/mlのLL37(34-mer)とLL37(34-mer LL)の活性と比べて著しく強かった。A. a2株(A. aY4, A. aJP2)に対する抗菌活性では、2μg/mlのLL37(34-mer LL)の活性が2μg/mlのLL37(34-mer)とLL37(34-mer LLKKK)の活性と比べて弱かった。10μg/mlのLL37(34-mer)、LL37(34-mer LL)、LL37(34-mer LLKKK)の抗菌作用は2μg/mlの抗菌作用より強く、3つのペプチド間で差が認められなかった。 抗炎症作用を調べるため、歯周病原性細菌であるA. aの外膜タンパク質29(OMP29)によって刺激されたヒト歯肉線維芽細胞のインターロイキン8(IL-8)mRNA発現に及ぼす3つのペプチドの影響を調べた。OMP29はIL-8mRNA発現を促進した。10μg/mlのLL37(34-mer)、LL37(34-mer LL)、LL37(34-mer LLKKK)は、OMP29によるIL-8mRNA発現促進を抑制した。3つのペプチド間において、明らかな抑制効果の差は認められなかった。 抗菌活性とサイトカイン発現抑制作用という点から、3つのペプチドの中で、LL37(34-mer LLKKK)が最も有効であることが判明した。よって、LL37(34-mer LLKKK)が歯周病予防に最も効果的である可能性が示唆された。
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