2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内侵入細菌の排除機構の解明とペプチドグリカンを標的とした歯周治療法の開発
Project/Area Number |
20592432
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 高士 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10284697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宜興 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159100)
吉村 篤利 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70253680)
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Keywords | 自然免疫 / ペプチドグリカン / 歯周病原細菌 / Porphyromonas gingivalis / Aggregatibacter actinomycetemcomitans / Fusobacterium nucleatum / NOD1 / NOD2 |
Research Abstract |
Nucleotide-binding oligomerization domain(NOD)1とNOD2は、それぞれグラム陰性菌のペプチドグリカン(PGN)に特有な構造のA-iE-DAPと全細菌に共通の構造のMuramyl-di-peptide(MDP)を認識し、自然免疫応答を誘導する。我々は本実験計画の初年度において、歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis,Aggregatibacter actinomycetemcomitansやfusobacterium nucleatumの菌体あるいはそれらの細菌から精製したPGNによって誘発される宿主細胞応答にNOD1とNOD2が関与すること、そしてそれらの活性は刺激する細菌によって異なり、P.gingivalisのNOD1活性化能は他の細菌と比較して1/10から1/100であることを明らかにした。本年度においては、歯周組織の最前線で細菌の侵入に対する生体防御を担っている歯肉上皮細胞に着目し、自然免疫応答におけるNODの役割について検討を加えた。歯肉上皮細胞株のHSC-2細胞はNOD1刺激によりIL-8を産生したが、NOD2刺激には反応しなかった。RT-PCRを用いた解析ではHSC-2細胞はNOD1 nRNAのみ発現のみ発現し、NOD2の発現は認められなかった。このことから歯肉上皮細胞においてはNOD2ではなくてNOD1が歯周病原細菌PGNの認識により関与している可能性が示唆された。さらにIFN-γで上皮細胞をプライミングするとNOD1 mRNAの発現量は増加し、NOD1リガンドに対する反応性が増強した。活性化T細胞は炎症性歯周組織に集積しIFN-γを発現していることが報告されており、上皮細胞の歯周病原細菌に対する自然免疫応答に影響していると思われた。
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Research Products
(3 results)