2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウシラクトフェリンを応用した抜歯窩治癒促進材の開発
Project/Area Number |
20592433
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
中島 啓介 Kyushu Dental College, 歯学部, 准教授 (80227785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 善裕 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (90260819)
高山 喜晴 農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所, 主任研究員 (00343989)
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Keywords | 外科 / 歯学 / 生体分子 / 蛋白質 / 動物 |
Research Abstract |
近年,古くから安価で安全な添加物として知られるウシラクトフェリンに関して,新しい生物学的作用((1)創傷治癒促進作用,(2)骨増生作用,(3)消炎・鎮痛作用)が報告されている。現在,国内外のラクトフェリン研究の多くは全身投与による効果のみに着目し,局所投与による効果に着目しているのは米国で臨床治験中の糖尿病性壊疽治療薬のみである。本研究の目的は,ウシラクトフェリンを応用した抜歯窩治癒促進材を開発するため,実験動物を使った基礎データを得ることである。平成20年8月1日付けで研究代表者が現所属機関に赴任したため,新規に動物実験施設を利用するために必要な諸手続に期間を要し実験開始が大幅に遅れた。本研究課題採択前に行った予備実験では,ラット上顎第一臼歯を抜歯すると歯槽骨の骨折が数多く認められ,抜歯窩の治癒状態が適切に評価できなかった。そこで,平成21年1月から開始した研究では下顎右側第一臼歯を被験歯とした。ペントバルビツールの腹腔内投与による全身麻酔下で4週齢のWistar系雄性ラットの被験歯を抜歯した。抜歯後,A群:抜歯のみで何も挿入しない,B群:抜歯窩にコラーゲンスポンジを挿入,C群:抜歯窩にラクトフェリン溶液を加えたコラーゲンスポンジを挿入,の処置を行った。抜歯7日後に安楽死させ,下顎骨を採取した。当初の予定ではマイクロCTにて解析を行う予定だったが現所属機関には設置されていないので,愛知学院大学歯学部ハイテクリサーチセンターに出向いた。2日間の出張期間で全ての標本の撮像を完了したが,熟練のオペレーターが不在のため抜歯窩の定量分析まではできなかった。平成21年度では撮像した画像分析を行うために,再度,愛知学院大学歯学部へ出張するか,分析用ソフトウェアを購入し,抜歯窩の治癒状態を評価する予定である。
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