2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化型ガレクチンー1によるマクロファージを介した歯周病制御の基礎的研究
Project/Area Number |
20592438
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
堀江 秀典 神奈川歯科大学, 歯学部, 客員教授 (80046135)
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Keywords | ガレクチン-1 / マクロフージ / 歯周病 / LPS / サイトカイン / 炎症 / 予防 |
Research Abstract |
前年度までの研究により、歯周組織にガレクチン-1が局在しその歯周組織に歯周菌P. gingivalisを作用させると歯槽骨の脱落が進行するのと同時にガレクチン-1のmRNAの発現が上昇していることがRT-PCR法による解析で明らかとなり、また、in vitroの研究からLPS (Lipopolysaccharide)を腹腔マクロファージに作用させたときpro-inflammatory factors (IL-1β,IL-6,iNOS)のmRNAの有意な発現上昇が見られ、酸化型がレクチン-1を作用させるとその発現が抑制されることがRT-PCR法による解析で明らかとなった。本年度はreal-time RT-PCR法を導入しその定量的な解析を試みた。10%血清を含む培養液中でラットの腹腔マクロファージを培養し、30ng/ml濃度のLPSを作用させると前述のpro-inflammatory factorsのmRNAの発現が大きく上昇した。そこへ0.1ng/ml,1ng/ml,10ng/mlの3種類の濃度の異なる酸化型ガレクチン-1を作用させたところ、濃度依存的に抑制されることが定量的解析で判明した。更に無血清下で100ng/mlLPSを作用させてpro-inflammatory factorsのmRNAの発現を上昇させたマクロファージに10ng/ml酸化型ガレクチン-1を作用させるとその発現が抑制されることが定量的解析で明らかとなった。以上の研究成果は"Oxidized galectin-1 reduces lipopolysaccharide-induced increase of pro-inflammatory cytokine mRNA in cultured macrophages"のタイトル名でClinical,Cosmetic and investigational Dentistry(2011, 3:1-8)に発表された。本研究により細菌感染などにより歯周組織内での炎症が進行するとガレクチン-1の産生が上がり、間質液中で酸化型ガレクチン-1として炎症を抑制し歯周病への進行を抑えている可能性が示唆された。今後のin vivo研究により酸化型ガレクチン-1投与による歯周病予防が明らかにされることが期待される。
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Research Products
(10 results)