2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592441
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
鎌田 愛子 Osaka Dental University, 歯学部, 准教授 (50140215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 定司 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80169094)
池尾 隆 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40159603)
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Keywords | アディポネクチン / 骨芽細胞 / siRNA / アディポネクチン受容体 |
Research Abstract |
脂肪細胞から合成分泌されたアディポサイトカインは血液中に多量に存在することから、歯周組織再生にも重大な影響を及ぼすものと考えられる。本研究では脂質代謝関連物質の動向を再生医療へ応用するために、歯周組織に及ぼすアディポサイトカインの影響をまずin vivoから検索した。マウス前骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1を用いて、アディポネクチン受容体の発現を遺伝子レベルで検索した。骨格筋で多く発現するAdipoR1、肝臓での発現が著明なAdipoR2ともに骨芽細胞で発現していた。両受容体の発現をsiRNAで抑制した条件下で骨芽細胞の分化を誘導したところ、AdipoR2の発現抑制によるBMP-2、Runx2、オステオカルシンの発現誘導の抑制が認められた。さらに、受容体とこれらの骨芽細胞分化マーカーとの発現の相関性を調べたところ、有意な正の相関が明らかになった。また、脂肪細胞の産生するアディポネクチンとTNF-αは、互いに類似の構造を持ちながらインスリン感受性については相反する影響を及ぼすことが知られている。両アディポサイトカインをMC3T3-E1に添加して骨芽細胞の分化を誘導したところ、両サイトカインともにコラーゲンやRANKLの発現を有意に抑制したが、オステオカルシンの発現はTNF-αによってのみ著明に抑制された。今回添加したアディポネクチンは血中に多く存在する短鎖タイプのgAcrp30であったが、AdipoR2は完全長のアディポネクチンと親和性を有する可能性が考えられ、局所で生成されるアディポネクチンと、血中のアディポネクチンとは異なる作用を有する可能性が考えられた。
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