2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔炎症の新しい簡便診断法-MPOによる新しい唾液診査法-
Project/Area Number |
20592445
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
兼平 孝 Hokkaido University, 病院, 講師 (90194935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
竹原 順次 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60216934)
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Keywords | 唾液 / ミエロペルオキシダーゼ / 炎症 / 歯周病 / スクリーニング |
Research Abstract |
(目的)炎症により歯周組織に浸潤したリンパ球、単球、マクロファージなどから歯肉溝浸出液を通じて唾液中に放出されるMPO(ミエロペルオキシダーゼ)を我々が独自に開発したSandwich test-disk法により簡便に定量することで、口腔内炎症の指標とすることを考えた。 (方法)平成20年度は、20名の被検者からガム法による10分間の刺激唾液(全唾液)を採取して、Sandwich test-disk法によりMPO(ミエロペルオキシダーゼ)を定量し、その値と歯周病の罹患状況(歯周ポケットの平均値)を評価した。また、唾液採取のタイミングを調べるために、20名の被検者から歯みがき前後の唾液を採取して、MPO量を比較した。 (結果)被験者から採取した全唾液中のMPO活性と歯周ポケットの平均値をプロットしたところ、相関係数0.659と断面的ではあるが、歯周ポケットの平均値とMPO活性との間には高い相関関係が認められた。また、歯みがき前後のMPO値には有意な差はなく(p<0.05)、歯みがき行動が唾液中のMPO量にほとんど影響を与えないことが明らかとなった。このことから唾液の採取のタイミングは、歯みがきの有無を考慮に入れる必要性がないことが示唆された。 (考察)次年度以降の課題として、Sandwich test-diskのDiskの改良、発色時間短縮の可能性の追求が挙げられる。また、歯周病治療の進行に伴うMPO活性の時系列的変化、全唾液MPO活性と他の口腔内炎症性疾患(根尖性歯周炎、智歯周囲炎など)との関連を調べる予定である。
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