2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592456
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島津 篤 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10274094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 勝巳 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40294566)
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Keywords | 歯周組織 / 歯周疾患 / ストレス |
Research Abstract |
retinoic acid early inducible gene-1(RAE-1)は分子量約30kDaの膜タンパク質で,細菌感染,癌化等により発現が誘導されるストレス誘導性タンパク質である。しかし骨芽細胞や破骨細胞におけるRAE-1の生理的作用や疾患への関与については全く不明であった。昨年度までに骨芽細胞の細胞細胞外基質合成期にRAE-1を強く発現していること,破骨細胞はRAE-1を発現していないが,成熟破骨細胞はRAE-1の推定受容体であるNKG2Dを強く発現していることを明らかにした。 今年度,0~10日齢マウスを用いて,マウス歯冠および歯根形成期におけるRAE-1発現細胞の検索を行った。歯冠形成期のエナメル芽細胞および歯根形成期のヘルトヴィッヒ上皮鞘を構成する細胞は,アメロブラスチンを強く発現していることが明らかとなったが,これらの細胞においてRAE-1の発現は認められなかった。一方,歯髄細胞を用いた検索において,歯髄細胞はRAE-1を強く発現していることを明らかとした。本来エナメル質や象牙質で被覆されている歯髄が,細菌感染などによる外来刺激を直接受けた際には,骨芽細胞と同様にRAE-1の発現を誘導し,生体防御あるいは組織の崩壊に関与している可能性を示唆しているのかもしれない。
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