2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規リスクファクター候補口腔バイオフィルム細菌による動脈硬化誘発機序の実験的解明
Project/Area Number |
20592459
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長田 恵美 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00304816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
於保 孝彦 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50160940)
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Keywords | 口腔細菌 / バイオフィルム / 感染症 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
動脈硬化は心筋梗塞、脳梗塞などの日本人の死亡原因の多くを占める疾病の原因となる血管の変化である。動脈硬化の成因は血管内皮細胞の機能的傷害であるという"傷害反応仮説"によって説明されているが、現在もなお高血圧、脂質代謝異常、喫煙、肥満、年齢といった古典的リスクファクターだけでは説明できない動脈硬化患者が存在する。近年、疫学研究では歯周疾患の有無と心臟脈管系疾患の罹患率との間に関連性があること、臨床細菌学的にはヒトの動脈硬化巣から口腔細菌が分離されたことが報告されている。口腔バイオフィルム中で量的に最も多い口腔レンサ球菌を用いて、菌のヒト動脈内皮細胞(HAEC)への侵入能力を、共培養時間を4,8,24時間と変えて検討した。HAECと同数の菌を用いた場合、Streptococcus gordoniiは共培養4時間で多くの菌HAECに侵入していたが、共培養8時間でHAECが正常な形態を示さなくなった。S.salivariusは検討した菌の中でもっとも高い侵入菌数を示したが、共培養24時間でHAECが正常形態を示さなくなった。S.mutans、S.parasanguinis、S.sanguinis、S.mitis、S.oralisは共培養時間が長くなるとともに、HAECに侵入する菌数が増加し、共培養時間24時間でもHAECは正常であった。次に口腔レンサ球菌をHACEと共培養、HAECが正常である条件のもとでHAECのIL-6、IL-8、MCP-1の産生をイライザ法で検討した。この条件では菌との共培養によってHEACからにれらのサイトカインの産生の誘導は認められなかった。
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Research Products
(2 results)