2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病細菌によって産生されるインドールと歯周疾患の関連の解明
Project/Area Number |
20592463
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉田 康夫 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (10315096)
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Keywords | インドール / 歯周病細菌 / バイオフィルム |
Research Abstract |
本研究課題においては、歯周病細菌として知られているPrevotella種のインドール産生能について検討した。 まず、Prevotella intermedia ATCC 25611の染色体DNAからトリプトファンからインドールを産生する酵素であるトリプトファナーゼをコードする遺伝子tnaAをクローニングして、その塩基配列を決定した。その結果、アミノ酸レベルにおいてP. intermediaのTnaAはEscherichia coliなどのTnaAより、同じ歯周病細菌であるPorphyromonas gingivalisのTnaAと高い相同性を示した。RT-PCR法を用いて、tnaA領域の遺伝子配置についても、P. gingivalisのそれと同様に、周辺遺伝子とオペロンを形成せず、単独で転写されることが明らかとなった。さらにP. inetrmediaのTnaAの組換え酵素を大腸菌から精製し、その酵素学的な性質を決定したところ、K_m=0.23±0.01mMであり、従来知られていたトリプトファナーゼの値と大差はなかった。このことから、基質であるトリプトファンの親和性は、従来報告のあるTnaAと同様であることが明らかとなった。一方で、k_<cat>=0.45±0.01s^<-1>であり、インドール産生能は従来知られていたTnaAよりも低いことが明らかとなった。次に、22種類の異なるPrevotella種のインドール産生能を調べたところ、P. intermediaを含めて6菌種の培養上清にインドールが含まれており、残りの16種からはインドール産生能が確認されなかった。サザンハリブリダイゼーション法にて、インドール産生能を有する6種類すべての染色体にはP. intermedia由来tnaAで作製したプローブと相同性のある遺伝子が認たが、インドール産生を有しなかったから得たDNAはP. intermedia由来およびFusobacterium nucleatum由来tnaA認で作製したプローブと反応しなかった。
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Research Products
(6 results)