2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592464
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
稲葉 大輔 Iwate Medical University, 歯学部, 准教授 (90146085)
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Keywords | 再石灰化 / 唾液 / カルシウム / リン酸 / 検査 / QLF |
Research Abstract |
被検者5,304名(男性3,40人、女性1,89人;年齢43.5±19.6歳、範囲15-83歳)を対象としてパラフィン咀嚼刺激全唾液を約3ml採取し、唾液検体のCa濃度をOCPC法により、また、無機リン酸濃度をリン・モリブデン酸法により測定した。その結果、唾液検体のCa濃度は1.17±0.33mM(範囲0.10-4.92mM)、また無機リン酸濃度は5.15±2.23mM(範囲0.19-28.91mM)で、いずれも広範な分布を示し、唾液中ミネラル濃度は個体差がきわめて大きいことが確認された。また、これらから唾液中のCa/Pモル比は0.23で、再石灰化に理想とされるハイドロキシアパタイトのCa/Pモル比1.67よりもはるかに低いことが確認された。また、唾液中ミネラルの再石灰化への効果を確認するため目的で、あらかじめ0.1M乳酸で脱灰し、かつ、ベースライン部位として脱灰歯面の半側を透明バーニッシュでコートしたエナメル質試料を、カルシウム濃度が異なる唾液中に37℃で24時間浸漬して再石灰化処理とし、ベースライン部位と唾液処理部位(再石灰化部位)を光学的齲蝕診断システムである定量的可視光励起蛍光装置QLFで測定した。その結果、カルシウム濃度依存的に再石灰化が促進されることが示唆された。以上より、唾液ミネラルに着目した再石灰化能評価のための唾液検査は実用化できる可能性が高いことが示唆された。さらに、関連技術として1000万画素以上のデジタルカメラおよびマクロレンズを入力デバイスとした新たなQLF装置と専用のソフトウエアを開発し、より高精細なQLF画像を取得することにう成功した。
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Research Products
(1 results)