2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592464
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
稲葉 大輔 Iwate Medical University, 歯学部, 准教授 (90146085)
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Keywords | 歯学 / 食品 / 唾液 / 再石灰化 / 臨床検査 |
Research Abstract |
本年度は、本研究で歯質ミネラルの分布評価に使用するQuantitative Light-induced Fluorescent digitalsystem(以下、QLF-D)および制御・測定プログラムの開発を行った。乳酸により脱灰した同一エナメル質試料をQLFの旧機種(QLF Pro)とQLF-Dにより、蛍光減少率(ΔF)を同時測定した結果、両装置の測定結果には有意差はなく、測定値に関しては、相互に妥当な互換性が確保されていることが確認された。また、QLF-Dの同一試料での繰り返し測定(3試料について各10回)を実施したところ、CV値は5.1%以下であり、良好な再現性を有することが確認された。また、ヒト抜去歯を試料として、QLF-Dにより表層下の赤色蛍光ΔSを測定した結果、ΔSは1.0-8.9のレンジに分布し、その値は齲蝕の深度、すなわち、齲蝕が象牙質に進行しているほど高く、鯖蝕深度とΔS値には有意な相関が存在することが確認された(r=0.78、Spearman rank correlation, p<0.05)。よって、QLF-Dで測定された赤色蛍光強度は潜在性齲蝕進行度の評価にきわめて有用であることが示唆された。また、QLF-Dにより、ヒト口腔内を試験的に撮影したところ、本装置はポルフィリン由来の赤色蛍光を感度良く検出できる性能を有しており、細菌感染を伴う潜在的に齲窩の存在、レジンおよびシーラントの辺縁亀裂の細菌侵入、また縁下歯石の有無も評価できることが明らかとなった。
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