2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592474
|
Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
大谷 進 神奈川歯科大学, 附置研究所, 教授 (60104478)
|
Keywords | 歯科法医学 / 硬組織 / ラセミ化率 / D-アミノ酸 / ラセミ化反応速度 / DNA分析 / 年齢推定 / 焼死体 |
Research Abstract |
D-アスパラギン酸とL-アスパラギン酸を明瞭に分離することは、この研究でもっとも重要な点である。我々は、再現性があり明瞭に分離できるキャピラリーカラムを作製し、実際の歯からの年齢鑑定に活用している。 また、ラセミ化反応速度が国あるいは民族により異なるか否か検討したところ、ほぼ同様であることが判明した。これにより、日本人の歯を対照歯として年齢鑑定に用いることができ、外国人の歯からの年齢鑑定にも対処可能であることが示唆された。また、この研究で、単根歯を用いることが重要であることが再確認された。さらに、ラセミ化法は、歯全体(歯そのものの)のラセミ化率を検出することが重要で、これを解決するために、歯を丸ごとからでも年齢推定できるか否か、他大学と検討したところ、象牙質同様、相関が高い傾向を示した。これは、複根である上顎臼歯に用いることも可能で、同時に簡便に検査ができることになると思われる。 アミノ酸のラセミ化率は、DNA分析可能な貴重な資料を効率よく選別でき、大変有効な手段で、わが国の古生物学領域の新たな指標となる可能性が示唆された。 カロリンスカ研究所と共同研究を行ない、放射性炭素法(成年推定法)とラセミ化法(年齢推定法)と比較したところ、両者の短所を利用すれば、さらに、より良い年齢鑑定が可能と思われた。 AspとGluおよびAlaのラセミ化率と実年齢との相関は、可溶性成分を用いるとGluおよびAlaでもラセミ化率が高くなり、歯からの年齢推定に活用できることが示唆された。
|
Research Products
(10 results)