2008 Fiscal Year Annual Research Report
唾液分泌障害患者の唾液を用いた生活習慣病関連遺伝子の解析
Project/Area Number |
20592476
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
梁 洪淵 Tsurumi University, 歯学部, 助教 (10298268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
森戸 光彦 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30089429)
美島 健二 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (50275343)
井上 裕子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50367306)
山田 浩之 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90267542)
|
Keywords | ドライマウス / 生活習慣病 / 唾液 / 遺伝子 |
Research Abstract |
口腔乾燥症(ドライマウス)の大半を占める非シェーグレン症候群であるドライマウス(非SS)と生活習慣病の関連を明らかにすることを目的に、非SS患者の唾液に含まれる細胞成分から抽出したDNAを用いて、生活習慣病に関連する遺伝子群を網羅的に解析し統計学的に検討を行った。解析に用いた遺伝子マーカーは日本人7000名を対象として診断基準に基づいて診断した疾患罹患群、非罹患群に分類し、既知のSNPs(メタボリックシンドローム:158SNPs、肥満:147SNPs、糖尿病:148SNPs)のうち、より強く相関のみられたSNPs(メタボリックシンドローム:16SNPs、肥満:10SNPs、糖尿病:16SNPs)を統計解析にて選定した。試料は鶴見大学歯学部附属病院ドライマウス外来を受診した101名(非SS群51名、非ドライマウス群50名)の冷凍保存唾液とした。検査対象となったSNPsのリスク程度とドライマウスの発症を統計解析した結果、各疾患とドライマウスに有意な差は認められなかった。つぎに、SNPsと唾液分泌量との関係を検討した。その結果、刺激時唾液分泌量が多いほど肥満関連遺伝子に相関がみられる傾向が示唆された。さらに、ドライマウス群と非ドライマウス群に分類し、クロス集計を用いて遺伝子マーカーを検索した結果、1つのSNPs(SREBF1:strerol regulatory element binding transcription factor1)の3G2Gあるいは2G2Gの遺伝子に有意な差が認められた。加えて、ドライマウスのリスク評価モデルをロジスティック回帰分析を用いて構築したところ、2つのSNPsはリスクマーカー、3つのSNPsが抑制マーカーとして作用していることが明らかとなった。年齢・性別が対象SNPsに影響を与えるか否かを比較検討したところ、年齢は6SNPs、性別においては2SNPsに関連が認められた。このことより、年齢で調整し再度ドライマウスのリスク評価をステップワイズ法とロジスティック回帰解析を行った結果、抑制マーカーとしてsyntasin1A、リスクマーカーはapolipoproteinEが明らかとなった。これらのことより、今後は年齢の影響を考慮した検討が課題であり、症例を重ねて非SSと生活習慣病関連遺伝子について検討する。
|
Research Products
(4 results)