2010 Fiscal Year Annual Research Report
定量的層別マッピング法による口腔バイオフィルムへの介入効果の評価に関する研究
Project/Area Number |
20592477
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
加藤 一夫 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60183266)
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Keywords | 口腔バイオフィルム / depth-specific analysis / 不溶性グルカン / 口腔洗浄器 / ジェット水流 / 電子プローブマイクロアナライザ / 反射電子像 / バイオフィルム除去能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、フッ化物製剤の局所応用や機能性食品の摂取など、歯科疾患のリスクを低減させる化学的プラークコントロールの効果を、歯垢細菌叢のコントロールという観点から評価することの有効性を検討することであった。 1. 非齲蝕誘発性甘味料のキシリトールは、非グルカン合成性を有することから、ミュータンス連鎖球菌の産生する不溶性グルカンを抑制することにより口腔バイオフィルムである歯垢中のバイオマスを減少させることが期待される。そこで、クロスオーバーデザインで、被験者14名を対象にグルコースおよびキシリトール配合ガムを計画的に4日間摂取させ、その間に堆積させた歯垢試料を用いて、グルカンとバイオマスの分布を比較した。その結果、キシリトール曝露下の歯垢内部でバイオマスの減少は認められたが、歯垢細菌叢のコントロールの評価指標としての歯垢内の成分分布の有用性は確認できなかった。 2. ジェット水流を利用して歯面を清掃する口腔洗浄器は、近年、性能が向上し、高い洗浄水圧で断続的に水を噴射する製品が開発されている。しかし、バイオフィルムに対するジェット水流の洗浄能力や微細構造に与える影響は不明である。化学的プラークコントロールの抗バイオフィルム効果を判定するための基礎的な検討として、バイオフィルムの厚みからジェット水流の洗浄効果を評価する方法の開発を行った。707kPaの水圧で洗浄したエナメル質スラブと未洗浄のスラブの表面を白金蒸着し包埋した後、電子プローブマイクロアナライザを用いてバイオフィルムの断面の反射電子像を撮影し、バイオフィルムの厚さを測定した。その結果、画像解析による洗浄後のバイオフィルムの厚さは2.35±0.70(mean±SD;μm)で、未洗浄の25.04±19.24より有意に減少し、口腔洗浄器は90.6%という高いバイオフィルム除去能を有することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)