2012 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル質の脱灰・再石灰化メカニズムの結晶学的解析
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20592478
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Research Institution | Aichi Gakuin University,Junior College |
Principal Investigator |
犬飼 順子 愛知学院大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40319190)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | エナメル質 / 結晶性 / 再石灰化 / 脱灰 |
Research Abstract |
再石灰化に関わる要因としてミネラル濃度とフッ化物濃度の関与の程度、およびその結晶構造を解析した。厚さ300μmのDiffusion Chamberを作成し、50~100μmに分粒したヒトエナメル質2mgを封入した。1週間通法により脱灰したのち、再石灰化液A(1.5mMCa, 0.9mMPO4, 2ppmF, KOHでpH 7に調整), 再石灰化液B(3.0mMCa, 0.9mMPO4, 2ppmF, KOHでpH 7に調整)、再石灰化液C(1.5mMCa, 0.9mMPO4, 0ppmF, KOHでpH 7に調整), 再石灰化液D(3.0mMCa, 0.9mMPO4, 0ppmF, KOHでpH 7に調整)、の4種の再石灰化溶液に1試料あたり100mlで4週間再石灰化させた。それぞれの条件についてCMR,FTIRおよびX線回折により相対的グレイ値、結晶相について比較検討した。再石灰化は再石灰化率で検討した。その結果、再石灰化はミネラル濃度とフッ化物濃度の両者とも関与しているが、結晶構造は再石灰化率が高いほど結晶性が高まっているがフッ化物の存在による有意差認められないと解析された。さらに、ヒトエナメル質をin vitroで脱灰液により1週間脱灰した後、採唾したヒト唾液で1週間再石灰化させ、脱灰前、脱灰後、再石灰化後の結晶構造を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。電子顕微鏡像から、a軸の結晶格子の大きさを測定し、一元配置分散分析およびTukeyの多重比較の結果、p<0.05で脱灰後と比較して再石灰化後の結晶格子は大きかった。また、結晶性は脱灰により高まるが、再石灰化により低下した。以上の結果より、再石灰化後のエナメル質の結晶はCMRによる分析では再石灰化として回復していても健全エナメル質の結晶構造とは異なっているといえる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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