2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護師を対象とした「共感的患者理解のための視点取得教育プログラム」の開発
Project/Area Number |
20592479
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
林 智子 三重大学, 医学部, 教授 (70324514)
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Keywords | 共感的患者理解 / 視点取得 / 看護教育 / 教育プログラム / 看護師 |
Research Abstract |
本研究の目的は、模擬看護場面を用いた教育プログラムを作成し、それを看護師を対象に実践し、効果を検証することである。今年度は、2つの模擬看護場面についての教育プログラムを考案した。 1つ目は、糖尿病で食事療法を受ける患者が間食をしようとした場面を取り上げて、その時の患者の心理推測をする教育プログラムである。これを看護大学生1年生21名と4年生24名に実施し、場面における思考の特徴として患者の立場に立つことを「自分の視点」から考えることだと理解していても、実際に患者を目の前にすることで「患者の視点」から患者心理を理解しているという特徴が示された。また、1年生と4年生の違いとして、4年生の方が患者心理を推測する際に患者の発言を言葉だけでなく、パラ言語である「口調」についても注目するようになり、患者の視点からより具体的な根拠をもとに患者の心理を推測するようになることが示された。これは、看護学を学んだ成果の現れであると考えられた。 2つ目は、人工造設予定の患者が人工肛門を否認した場面を取り上げて、その時の患者心理を推測する教育プログラムを作成した。このプログラムは、模擬場面を視聴した後、患者心理推測などの自分の考えを示してもらう。そして、一連の自分の思考過程をメタ認知を使って振り返ってもらい、自分の思考の特徴を知ることができるようになることが特徴であると考えている。また、同時に自分の思考過程と一般的他者の思考過程を比較することにより、その違いとそれによる看護援助の違いを考察することができるものである。 来年度の目的は、これらの教育プログラムを看護師に実施し、上記のような効果を検証することである。
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Research Products
(2 results)