2008 Fiscal Year Annual Research Report
褥瘡予防の体位変換時間方程式の開発-組織耐久性低下動物モデルを用いた実証-
Project/Area Number |
20592481
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
須釜 淳子 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (00203307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 医学系研究科, 教授 (50143920)
中谷 寿男 金沢大学, 保健学系, 教授 (60198124)
紺家 千津子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (20303282)
大桑 麻由美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30303291)
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Keywords | 看護学 / 細胞・組織 / 動物 / 病理学 |
Research Abstract |
本年度では方程式開発に必要な有限要素法導入の可能性を検討した。まず、ラットの皮膚に持続的な圧迫を加える実験を行った。ラットの腹部に厚さ2[mm],幅30[mm]の金属板を貫通させるように挿入し、この金属板とΦ20[mm]の圧子によってラットの皮膚を挟み込み,圧子上面に荷重を与え圧迫した.圧迫は8[kg]の荷重を6時間加えた。次に、実験の条件を基に3次元の力学解析モデルを作成した.モデルはラットの皮下組織を考慮した皮膚モデル,圧子モデル,金属板モデルから成る.皮膚モデルは表皮を除いた真皮,皮筋,脂肪,筋肉の4層で構成されている.各層の厚さはそれぞれ1.05[mm],0.813[mm],1.88[mm],3.00[mm]である.表皮は他の組織に比べ薄いため無視した.各組織に対して非線形の応力・ひずみ関係をデータベースと文献値を参考に与えた.また,毛細血管の影響を考慮するため簡単な線要素による血管モデルを真皮層の下部中央に挿入した.血管のヤング率は0.12[MPa],ポアソン比は0.499とした.境界条件は金属板端部を完全固定とし,皮膚モデル最下面の外周を圧迫方向に拘束して,圧子上面に8.0[kg]相当の荷重をかけた.皮膚と圧子,金属板との摩擦係数はμ=0.735とした。モデルの対象性を考慮して1/4のモデルで解析を行った。なお,解析には非線形大変形解析の可能な汎用有限要素解析ソフトMSC.Marcを用いた.結果より圧縮主ひずみや主応力が皮膚組織深部で高い値を示していることが確認できた.以上より、有限要素モデルをもちいることで、方位式作成のためのシュミレーションが可能なことが示唆された。
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