2009 Fiscal Year Annual Research Report
情報プライバシーに配慮した情報共有範囲の設定システムに関する研究
Project/Area Number |
20592485
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新實 夕香理 Nagoya University, 医学部, 助教 (20319156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 勝正 名古屋大学, 医学部, 教授 (60194156)
井口 弘子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (60345907)
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Keywords | 情報プライバシー / 電子カルテ / 情報共有 / 画面表示方法 / 看護 |
Research Abstract |
本研究は、患者自身が自分の個人情報を、どの医療者に、どこまで知っておいてもらいたいかをコントロールできる電子カルテ画面表示方法に関するシステムを構築することを目的としている。 H21年度は、前年度の「患者情報の共有範囲の設定に関する調査」の結果をもとに、看護師が求める電子カルテ画面の患者情報表示項目と共有範囲、表示方法について明らかにするとともに、電子カルテの画面サンプル(パワーポイント版)を作成し、グループインタビュー調査を実施した。 質問紙調査は422名の看護師から回答が得られ(回収率58.7%)、「患者の意向に沿って患者情報を非表示にする」という考えに39.0%が賛成し、実際の看護業務を考慮しても29.7%がこの考えを受け入れ可能なことがわかった。実施可能な非表示の方法とし、59.3%が項目単位、32.7%がカテゴリー単位を選択した。緊急時の表示方法は、53.3%が直ちに一括表示を、43.4%が項目ごとに表示できることを希望した。情報プライバシーの観点から、患者の意向に沿った電子カルテ画面の一部の項目の非表示にある程度の賛同が得られ、その実現に向けた検討の必要性が示唆された。 電子カルテの画面サンプルは専門家の協力を得ながら、「患者情報プライバシー認識尺度(PIPS)」の簡易版「簡易プライバシーチェックリスト(CPC)」を反映させた情報選択画面および、非表示のイメージとし模擬患者情報にモザイクをかけた画面表示サンプルを作成し、東海北陸地区の電子カルテシステム導入済みの病院に勤務する看護師を対象に、この画面サンプルを実際に見てもらいながらグループインタビューを実施した。H22年度に実施する調査と併せて、今後結果の分析を進めて行く予定である。 質問紙調査の結果は、国内学会での発表を行い、参加者の高い関心を得た。
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