2008 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の業務権限の見直しに向けた理論的・帰納的研究;自律性再考
Project/Area Number |
20592501
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
朝倉 京子 Niigata College of Nursing, 看護学部, 准教授 (00360016)
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Keywords | 自律性 / 看護職 / 裁量権 |
Research Abstract |
平成20年度は、各地で看護師の裁量権拡大に関する議論が活発になり、数々の学会等でこれに関するシンポジウム等が開催された。そのため、平成20年度はこれらの学会等に参加し、看護界の最新の動向や議論を把握することに務めた。このような動きが急速に活発化することは予測していなかったが、看護師の裁量権の拡大に関する研究が現代医療・看護の質の向上に不可欠となっていることを確認できた。 上記の看護界での議論や、平成20年度に行った文献検討などから、看護師の自律性が裁量権と密接に結びついているとの文脈で語られるようになったことが明らかになった。したがって「看護そのものの定義や看護業務の範囲は社会的に構築される」との本研究者の先行研究から得られた仮説どおり、看護師の自律性概念は、そのときどきの社会的文脈によって揺れ動き、定義される可能性が高いと示唆された。 一方で、主任研究者の異動の可能性が高まったため、平成20年度は研究フィールドの決定作業が予定よりも大幅に遅れたが、年度内に研究目的にふさわしい2つの総合病院を研究フィールドとして確保できたため、平成21年度から本格的に看護師を対象とした面接調査を開始する。
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