2011 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の業務権限の見直しに向けた理論的・帰納的研究;自律性再考
Project/Area Number |
20592501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
朝倉 京子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00360016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籠 玲子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40381686)
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Keywords | 自律性 / 判断 / 看護職 / 裁量権 |
Research Abstract |
本研究は、看護師の自律的な判断の様相を理論的・帰納的に明らかにすることを目的に行う。この研究成果は、看護師がすでに行っている的確な看護判断を再評価し、日本の看護師が真の自律性を獲得するための政策立案の基礎資料となる可能性がある。 平成23年度は、22年度までに行った面接調査の対象者(中部地方約10名、関東地方約15名)について、追跡調査を行った。データ分析の途中経過から、追跡調査が必要な対象者をピックアップし、これらの対象者について1対1での半構成的面接を行った。 追跡調査における面接内容はテープに録音し、守秘義務を順守する専門業者に逐語録作成を委託した。逐語録はデータとして保存した。 22年度までにほぼ終了したデータの第一次分析に、追跡調査のデータを加え、第二次分析を開始した。第二次分析は、研究代表者と研究分担者がそれぞれ行ったが、分析の妥当性と信頼性を確保するために、適宜電話での会議と、都内での会議を開催した。 第二次分析の結果、本研究のデータは2つの大きなテーマでまとまる方向性が確認できた。第一のテーマは、自律的な判断の具体的な様相、第二のテーマは、自律的な判断を促進する要因、である。第一のテーマについては、判断の目標カテゴリー、判断の内容カテゴリー、および判断の特徴カテゴリーの3種類のカテゴリーがそれぞれ1~2種類抽出された。それぞれのカテゴリーは、複数のサブカテゴリーから構成された。さらに、これらのカテゴリー間の関係が構造的に明らかになった。第二のテーマについては、内省を中心とする複数のカテゴリーの存在が示唆されているが、その構造についてさらに検討を行う予定である。 上記の研究成果は、近日中に論文として学会誌に投稿する予定である。
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