2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592506
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
谷田 恵子 University of Hyogo, 看護学部, 講師 (60405371)
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Keywords | 睡眠 / 心拍変動 |
Research Abstract |
従来,HRVの周波数解析では,0.04~0.15Hzを低周波数帯域(LF),0.15~0.4Hzを高周波成分帯域(HF)として算出したHF/(LF+HF)値が副交感神経活動指標として考えられていることから,本研究でもその値を用いて,睡眠深度評価方法を検討してきた。しかしながら,演算処理能力の問題から一般的には検討されることのない60秒間区分で解析した0.04Hz以下のパワー値(超低周波数帯域:VLF)も睡眠深度によって顕著な差(深睡眠では低く,浅睡眠,REM睡眠の順に高値を示す)がみられる特徴を得たことから,HF/(VLF+LF+HF)値を用いて評価方法を再検討した。その結果,健康成人データでは精度は若干改善し,60エポックで解析したPSG深度判定結果と比較したAccuracyは浅睡眠77%,深睡眠81%,REM睡眠80%となった。 一方,VLFは体動エポックで顕著に増加する特徴からVLFで体動を検出するようアルゴリズムを作成したが,その検出率は悪かった。VLFの時系列グラフを視察することで顕著に高値を示す部分を手入力で体動エポックを修正することで精度は改善するが,活用できる精度はないため,体動の評価には,体動計(活動量計)を併用する必要があると考えられた。そこで体動情報を加えた評価を試みたところ,健康な成人や高齢者の場合は体動量計を体動評価に活用できるが,老健施設入所高齢者からのデータのうち,夜間体動量覚醒していることが多い被験者においては,中途覚醒と寝返りのような睡眠中の体動との区別をすることはできず,睡眠障害をもつADLの低下した高齢者からのVLF情報および体動情報は睡眠深度評価には困難であることが判明した。このような高齢者からのデータであっても,HF/(VLF+LF+HF)値からおおよその睡眠サイクルの評価は可能と考えられるが,深度推定や体動検出は困難であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)