2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592506
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
谷田 恵子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (60405371)
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Keywords | 睡眠 / 心拍変動 |
Research Abstract |
本研究課題では,心拍変動の周波数解析データを用いて睡眠を評価する方法を検討してきた。1分区分で周波数解析を行い,3種類のパワースペクトル値((0.016~0.04Hz,超低周波数帯域(VLF);0.04~0.15Hz,低周波数帯域(LF);0.15~0.4Hz,高周波成分帯域(HF))からHF/(VLF+LF+HF)を算出し,その値を指標として睡眠を3つの深度(REM,浅いNREM,深いNREM)に分類した。本年度は高齢者からの24時間データのサンプル数を増やすとともに,睡眠覚醒リズム障害のある若年成人男女からは睡眠時ポリグラム(PSG)データを得て,健康成人女性のデータから作成したアルゴリズム(睡眠時ポリグラムによる深度判定との一致率は32~72%)の適応性を検討した。健康成人の場合は就床から起床までの値の変化から睡眠覚醒リズムを容易に推測できていたが,高齢者の場合は,HF/(VLF+LF+HF)の24時間の時系列グラフを用いることで,リズムを推定しやすくなった。日常生活活動(ADL)レベルが高い方がより睡眠覚醒リズムの判定が容易であった傾向は,被験者数を増やして検討したところ,必ずしもそのレベルと一致しないことが明らかとなった。単に昼夜の身体的活動量に差があることは,RRIデータからの睡眠覚醒リズム判定の難易度を予測できるものではないことが分かったが,本研究では情報が不足していたためその要因を明らかにすることは出来なかった。睡眠覚醒リズム障害のため入院加療中の男女若年成人約10名から得たデータに対して,アルゴリズムを適用して睡眠深度を推定した結果は,過半数の被験者ではHF/(VLF+LF+HF)の変動とPSGによる睡眠深度の変動とに類似性は見られたが,平均一致率は健康成人女性の場合よりも低かった。一致率の高低を左右する要因を検討したが,24時間の心拍数の変化パターンや平均値の高低,日中の身体活動量の大小,内服薬の種類などの影響は認められず,更なる検討課題が残った。
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Research Products
(2 results)