2009 Fiscal Year Annual Research Report
看護大学生の自己教育力と親子間の心理的距離との関連に関する研究
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20592513
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
小林 紀明 Mejiro University, 看護学部, 准教授 (10433666)
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Keywords | 看護 / 大学生 / 親子 / 心理的距離 / 自己教育力 / 成長発達過程 / 学習意欲 / 人間形成 |
Research Abstract |
21年4月末までに回収したデータの中から、54大学の学生6974人を対象に自己教育力に関するアンケート調査結果を基に、看護学科に在籍する大学生とそれ以外の大学生の自己教育力を構成する4つの側面を比較し、看護学科にどのような特性があるかを分析した。調査項目は、「成長・発展への志向」「自己の対象化と統制」「学習の技能と基盤」「自信・プライド・安定性」の4側面から構成され、40の下位項目が設定されている自己教育力測定尺度を一部改編して用いた。4段階スケールによる、看護学科学生と医・歯・薬学部系及び保健介護福祉系学部を除く他学科学生(以下他学科)の平均値を比較した。 結果:看護学科45.5%(3147)、他学科41.8%(2912)、医・歯・薬学系学科8.7%(608)、保健介護福祉学系学科4.0%(280)。『自己教育力』4側面の平均値は、看護学科/他学科共に同順位で、1位「成長・発展への志向(3.01±0,40/2.92±0.43)」、2位「自己の対象化と統制(2.75±0.33/2.68±0.37)」、3位「学習の技能と基盤(2.56±0.41/2.60±0.43)」、4位「自信・プライド・安定性(2.50±0.42/2.51±0.44)」であった。また、看護学科と他学科の平均値比較(t検定)では、「成長・発展への志向」「自己の対象化と統制」の2側面が看護学科において有意(p<0.0001)で、「学習の技能と基盤」が他学科において有意(p<0.0001)であった。 考察:看護学生は目的志向が強く、自身の可能性や課題を認識しそこへ近づけようとする対象化と統制能力が高いと推察された。しかし、不安・不全感・不安定性が強い傾向は、所属学科に関係なく現代の大学生の特性を示していると考えられた。また、看護学生は、論理的思考・客観的視点・情報収集や分類能力などの学習スキルが他学科学生に比べ劣っている可能性があり、教育カリキュラムや教育方法に関する検討課題が示唆された。
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Research Products
(1 results)