2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592514
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
広沢 正孝 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60218831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 基樹 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20360117)
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Keywords | 医療事故 / メンタルヘルス / 看護師 / 離人性障害 / 解離性障害 |
Research Abstract |
本研究は、看護師の医療事故と関連する精神状態を明らかにし、このような精神状態を把握するためのメンタルチェックリストを開発することを目的としている。 当該年度には、21年度に都心の大学付属病院と大都市近郊の大学付属第2病院の2院を対象とし実施した調査の解析を前年度より継続して行ってきた。その結果、医療事故の有無やインシデントレポートの記入経験の有無と離人症状、抑うつ症状との関連が明らかになった。離人性障害の症状の中では、特に周囲からの疎隔感や主観的な身体感覚の変化が医療事故と関連していた。また、抑うつでは軽度の場合には医療事故と有意な関連は認められなかったが、中程度、重度の場合には医療事故と有意な関連が認められた。 加えて、大学病院勤務の看護師の中でインシデントレポート記入者を対象に面接調査を実施し、医療事故と関連する精神状態や症状について検討した。また、面接時には事故が生じた職場の状況についても合わせて尋ねた。その結果、医療事故には様々な要因が関連しているが、精神状態や症状で医療事故との関連が示唆されたものは離人、抑うつ、ADHD、1つの状況への没頭であった。離人、抑うつについては診断基準を満たさないレベルの症状であっても、症状として有る程度の纏まりをもつレベルになると医療事故につながる可能性が示された。またこれらの症状が医療事故と関連しているか否かは、Cambridge Depersonalization Scale、Dissociative experience scale、Zung self-rating depression scaleなどの各症状を把握するための尺度の項目を基に症状の有無と事故時の状況を把握することで、有る程度把握可能であると考えられた。今後の課題として、当該年度内に検証が終了しなかったチェックリストの妥当性の検証が必要である。また、医療事故の原因には多くの要因が関連しており、どのような医療事故が精神状態と関連するのか、また医療事故と関連するような精神状態に陥る要因についても検討が必要であると考える。
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[Book] Ergonomic Trends from the East2010
Author(s)
Miyuki Sugiura, Masataka Hirosawa, Hideko Aida, Aya Okada, Motoki Mizuno, Yasuyuki Yamada, Kawata Yujiro, Hiroshi Ihara, Yukihiro Kobayashi
Total Pages
368
Publisher
CRC press (Taylor & Francis Group)