2008 Fiscal Year Annual Research Report
プランゲ文庫所蔵検閲史料による占領下日本における看護の社会的活動の分析
Project/Area Number |
20592515
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大石 杉乃 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (40194071)
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Keywords | GHQ / プランゲ文庫 / パンフレット / 検閲 / 看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アメリカ、メリーランド大学のThe Gordon W.Prange Collection(以下、プランゲ文庫)の現地調査により、パンフレットおよび新聞の内容と、これらに対する検閲結果を分析し、1.占領下における看護の社会的活動の実態と、これらに対するGHQの方針を明らかにするとともに、2.当時の看護の社会的活動とGHQによる規制が占領終了後の日本における看護に与えた影響を検討することである。占領下に発行されたパンフレットおよびこれらに対する検閲結果はプランゲ文庫に保管されているが、その実態は明らかにされていない。また、プランゲ文庫に保管されているパンフレットの所蔵を示す“Pamphlet List"(プランゲ文庫所蔵)も分析されていない。 平成20年度は、“Pamphlet List"を対象としたプランゲ文庫の現地調査を行い、“Pamphlet List"の内容を分類し、医療と看護の活動に対するGHQの対応について分析した。その結果、以下の結論を得た。 1.プランゲ文庫所蔵の“Pamphlet List"には、1948年10月1日から1949年10月25日までの間に総数7、220部のパンフレットが収載されていた。 2.“Pamphlet List"の中で医療に関するものが99部、看護に関するものが1部と、収載数に差が認められた。この差は、医師の組織には戦前から活動しているものも多く、当時からかなり自立して活動していたのに対し、看護の組織は実質的に戦後GHQ看護課の指導により誕生し、その活動もGHQ看護課の指導下で行われていたことによるものと考えられた。看護に関するパンフレットはGHQ看護課の指導の下に発行されていた可能性が高い。
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Research Products
(2 results)