2010 Fiscal Year Annual Research Report
サービスプロフィットチェーンを援用した産褥期のサービスシステム構築に関する研究
Project/Area Number |
20592517
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
松永 佳子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (70341245)
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Keywords | サービスシステム / 産褥期 / サービスプロフィットチェーン / 家族 / 助産師 / 地域支援 |
Research Abstract |
昨年までに子育て支援策が様々なされているが、出産後1か月間は親族、あるいは母親のネットワークに依存したサポートにより支えられていることがわかった。いっぽうで、母親たちは不安の解決のためには専門家によるサービスやサポートを期待していることが明らかとなった。 そこで、これまでの研究と文献検討を基に、施設助産師が提供する「産後1か月までの子育て支援モデル」を開発しその検証を行った。このモデルは、(1)妊娠期から情報提供、(2)産後3、4日目での面接、(3)退院後3日目、7日目、15日目に3回にわたり電話あるいはインターネットを介した対面の訪問および相談により構成されている。評価は、自己効力感(以下SE)、母親として自信、情報活用、育児満足感等で行った。なお、母子共に妊娠分娩が正常に経過したものを対象とした。 その結果、SEが低い妊婦は、母親としての自信が有意に上昇した。助産師の継続的な関わりの効果であると考える。一方、SEが高い妊婦は自ら情報や必要な支援を受ける行動が取れていた。また、SEや母親としての自信には夫のサポートが影響していることが示唆された。さらに継続して妊産婦に関わった助産師は離職希望のものがおらず、「普段から気になるお母さんにはこのような関わりができたらよい」と考えるに至っていた。母親のSEのみならず助産師のSEも向上させるモデルであった。しかし、助産師は専門職であり、個人のボランティアあるいは慈善的な支援では組織として継続性をもたせることは不可能である。したがって時間的、経済的な保障をする必要があると考える。そのためには、国からの妊娠・分娩期の経済的な補助が子育てスタート時期まで拡大されることを望む。 今後、助産師の人員を確保するための経済的な保障について検討するとともに、母親がよりよい子育てができるためには、夫を巻き込んだ夫婦に対する支援についてモデル化していく必要があろう。
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Research Products
(3 results)