2008 Fiscal Year Annual Research Report
コロトコフ音の波形分析による新たな健康管理指標の検討
Project/Area Number |
20592518
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
片山 富美代 Toin University of Yokohama, 工学部, 准教授 (70309649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 恒美 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (80257427)
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Keywords | コロトコフ音 / 循環モデル / 医療・福祉 / 波形解析 / 健康指標 |
Research Abstract |
本テーマは昨年10月になって追加採択されたという経緯から、平成20年度は主に機材の購入とその実験準備のみを行なった。まず、人体に流れる血液と同じような拍動を持たせるための拍動血流ポンプ(HARVARD Model1423)を導入した。本装置は拍動数や拍出量および収縮、拡張の比率を制御することができ、人体の血管における拍動を幅広くシミュレートすることができる装置である(運動時〜安静時)。また、流体循環用チューブとしては3週類の径のタイゴンチューブ(内径5mm,7mm,10mm)を導入した。これは血圧計測時にコロトコフ音を計測する上腕部に存在する血管の径と硬さを模擬するためである。なお血液を模擬した流体としては、生理食塩水を予定している。次に上腕部自体を模擬するために信越シリコーンの型取り用RTVゴムを購入した。これは上腕部を血圧測定用のカフで締め付ける際に内部血管が変形して、一旦血流が止まるという状況を模擬する必要があるために変形しやすく弾力性のある材料が適しているという理由からである(血圧測定時のカフの締め付けにより血流が一旦途絶え、その後、カフを緩めていく際に音が発生する点を最高血圧、音が聞こえなくなる点を最低血圧とよび、コロトコフ音とはその血圧測定時に聞こえる音のことである)。実際のシリコーンゴムの硬化には硬化剤と混ぜ合わせる必要があり、その際に生じる気泡を取り除くためにアクリル真空デシケータと真空ポンプおよび攪拌器を導入した。これらの装置および消耗品等の購入を行い、シリコーンゴムによる上腕部モデル製作準備を整えた。 また、コロトコフ音解析の研究成果として、3月の音響学会発表会にて慢性疲労時と急性疲労時におけるコロトコフ音波形の変化および加速度脈波加齢度指数、マイナスピーク周波数といった既知の指標値と最高および最低血圧値だけから算出可能な脈圧との関連を報告している。
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