2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス・ネットワークシステムを活用した感染制御技術の向上
Project/Area Number |
20592526
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
土田 敏恵 Hyogo University of Health Sciences, 看護学部, 講師 (10461170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 千佐子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10148273)
竹末 芳生 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70197292)
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Keywords | 看護技術 / 感染看護 / 手指衛生 / センサーネットワークシステム |
Research Abstract |
平成20年度の研究では、(1)センサーネットワークシステムによって看護業務における手指衛生のタイミングを測定できるか評価する、(2)看護業務における手指衛生のテクニックの良否を評価する、(3)手指衛生が怠りやすい看護業務を抽出する、(4)看護スタッフの臨床経験年数による手指衛生のタイミングとテクニックの差を明らかにすることを目的に実施した。 大学病院循環器集中治療室で、新人看護師とベテラン看護師を含む計13名の看護師を対象に、センサーネットワークシステムを装着し、実際の看護業務と手指衛生を2008年8月-9月(I期)と12月-1月(II期)に測定した。その結果、センサーネットワークシステムによる手指衛生の識別率は90%以上と高く、また清拭や足浴、注射準備といった特徴的な動作が含まれる看護業務に関しては、特徴的な波形が加速度センサによって得られることがわかった。さらに、卒後3年未満の新人看護師と3年以上の看護師では、手指衛生実施時間やどういった看護業務の前後で手指衛生を実施するのかといったタイミングで差を認め、臨床経験と卒後教育による影響がうかがえた。また、新人看護師では、I期に比べII期の方が手指衛生の実施率は向上した。一方で、看護師自身の身を守るための手指衛生実施は、看護経験の長短や時期にかかわらず80%以上の実施率を維持していた。 これらの結果は、今後以下のように活用される可能性がある。(1)看護学生や新人看護師に対して、動作波形を確認しながら正しい洗い方などの手指衛生技術を教授する教育ツールとなる、(2)手指衛生や各看護業務の波形を区別することで、観察者なしで実際の看護業務における手指衛生の実施状況を知ることができ、これによって真実の手指衛生遵守状況を測定するツールとなる。また、新人看護師と臨床経験のある看護師の手指衛生行動の対比をさらに進めることで、今後の手指衛生遵守プログラムへ活用することができる。
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Research Products
(3 results)