2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス・ネットワークシステムを活用した感染制御技術の向上
Project/Area Number |
20592526
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
土田 敏恵 Hyogo University of Health Sciences, 看護学部, 講師 (10461170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 千佐子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10148273)
竹末 芳生 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70197292)
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Keywords | 加速度センサー / 手指衛生 / 教育ツール |
Research Abstract |
当初、臨床看護師を対象に研究を実施する予定であったが、第3者による看護業務観察において新卒看護師の心理的負担が大きいとの理由で、臨床データの収集は断念し、加速度センサによる手指衛生手技の教育効果を評価する研究に変更した。(1)研究目的:従来、手指衛生教育としておこなわれている視聴覚教材とグリッターバグ[○!R]による流水手洗いおよび擦式手指消毒の技術教育に対し、加速度センサにより手指の動作波形をモニターしながら、手指衛生技術を習得する教育方法の効果を検証する。(2)研究方法:感染制御技術講義未受講の看護学部1年生20名を加速度センサ群10名、対象群(従来法)10名に無作為に振り分け、手指衛生技術(石鹸と流水による手洗いおよび擦式消毒薬による手指消毒)の習得について、手指衛生実施時の両上肢の3軸加速度(√(X2+Y2+Z2))と細菌培養検査による手指付着菌数減少値、直接観察による手指衛生手技の加点式のスコアリングを比較する。(3)結果1.3軸加速度:加速度センサによる流水手洗い指導では、従来法に比べて手指をしっかりこすり合わせることが習得できた。教育方法で比較すると、流水手洗い指導後においては、センサ群は12手技中右手で5手技、左手で11手技で数値が有意に高かった。従来群は、右手で2手技、左手で0手技であった。消毒指導後では、センサ群で右手1手技、左手4手技、従来群では、右手8手技、左手3手技において加速度の数値が有意に高く、しっかりと手指をこすり合わせることができていた。両手とも指導後に数値が有意に高かった手技は、流水手洗いにおいてはセンサ群では右手手背擦り洗い・指を交差させた左手背洗い・左指先洗い・左手首洗いの4手技であった。一方、従来法では認められなかった。消毒指導後は、センサ群では指を交差させた手掌擦り、従来群では手掌擦りと右手背擦りであった。指導前後で比較すると、センサ群で指導後に有意に数値が高くなったのは、流水手洗いでは右手9手技・左手10手技であった。消毒では、右手7手技・左手1手技であった。従来群では、流水手洗いでは両手とも7手技ずつで、消毒では6手技ずつであった。2.観察スコア:教育方法で比較すると、流水手洗い指導後では、センサ群11.1点で従来群11.9点、消毒指導後では、それぞれ13.0点と12.6点で差はなかった。3.手指細菌残留:流水手洗いでは、指導後に両群とも有意な減少を認めた(センサ群:指導前0.004、指導後0.35、P=0.022、従来群:指導前0.51、指導後1.3、P=0.017)。消毒では、差を認めなかった。以上より、加速度センサによる手指衛生教育方法は、従来法による効果と差はなく、新しい教育方法として活用が可能であった。
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Research Products
(1 results)