2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知症患者の尊厳性に関する家族対処行動と支援システムの構築
Project/Area Number |
20592528
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Research Institution | Ube Frontier University |
Principal Investigator |
河野 保子 Ube Frontier University, 看護学部, 教授 (80020030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 泰子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 准教授 (30330773)
野本 ひさ 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50259652)
田中 正子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 講師 (60515807)
棚崎 由紀子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 助教 (50461356)
藤田 佳子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 助教 (30341241)
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Keywords | 尊厳 / 認知症 / 家族 |
Research Abstract |
本研究は、在宅認知症患者を介護している家族が、介護という行為を人権思想を中心に、どのように認識し実践しているかを検討することである。すなわち、家族介護者の実態や患者の状況を把握し、家族の人権意識と家族・患者の各要因がどのような関係性をもつかを明らかにする。そのために家族介護者の尊厳性認知尺度を開発する。究極は、認知症患者の尊厳性を保つためのケアサポートモデルを構築し、家族支援のよりよい方法論への示唆を得る。平成21年度は下記の研究活動を実施した。 1.家族介護者及び認知症患者に対する調査 平成20年度の調査(32名を対象)に引続き、平成21年度では山口県U市のR病院(精神神経科外来)において調査を実施した。62家族の対象者から、尊厳性認知度、ストレス認知度、介護疲労度、認知症重症度、ADL等の情報が把握できた(対象者総数94名)。 平成21年度の学会発表に際して、調査対象者61名の倫理的判断・行動を分析した結果、生活スタイルにおいて家族介護者の尊厳性認知が顕著に保たれていたのは認知症患者の介護度が中等度(要介護度1,2,3)であったが、次年度では調査対象者94名の全数に対してさらに多方面から分析を行う。 調査対象者の総数94名の家族介護者と認知症患者の関係をみると、(1)介護者65歳以上、患者65歳以上が41名、(2)介護者65歳以上、患者65歳未満が0名、(3)介護者65歳未満、患者65歳以上が50名、(4)介護者65歳未満、患者65歳未満が3名であった。次年度では、上記4群と認知症重症度、ストレス認知度、介護疲労度等の関係を分析・検討する。 また、尊厳性認知尺度を分析し、信頼性・妥当性を検討する。さらに、尊厳性認知尺度を用いて家族介護者の人権意識に関連する要因を明らかにする。 2.一般高齢者(自由な生活を過している対象)に対する調査 高齢介護家族の生活の特殊性を検討するために、一般高齢者に対して、生活状況、生活充実感、ストレス認知度、自己効力感等を調査し、69名の対象者から協力が得られた。次年度に、両者を比較検討する。
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Research Products
(5 results)