2008 Fiscal Year Annual Research Report
身体機能障害を抱える脳卒中患者の生活の再構築に向けた看護支援システムの開発
Project/Area Number |
20592544
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
福良 薫 Sapporo Medical University, 保健医療学部, 研究員 (30299713)
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Keywords | 脳卒中看護 / 身体機能障害 / リハビリテーション看護 |
Research Abstract |
平成20年度は主に脳卒中患者の生活の再構築に関連する要因を分析し、入院中の看護介入方法の検討を行った。 研究対象なったのは70歳以下の初発の脳卒中により後遺症として麻痺をもつ患者で、認知に障害が無く言語的コミュニケーションが可能な者で研究の主旨、方法、匿名性の保護等について承諾を得た7者である。データ収集は、半構成的面接法で、分析方法は対象者の語りを逐語録にし、意味のまとまりを整理しながら個々のストーリーを構成し、「病気体験の意味付け」とそれに関与した要因に焦点をあてて分析・解釈を行った。その他、全体の傾向として同一医療機関を1年以内に退院した同様の条件を満たす対象者に郵送にて心理的適応状況(NAS-J)、ADLおよびIADLの状況を調査した。 結果として全体の傾向としては約1年以内には身体の機能低下を受け入れてはいるものの、個別のインタビューではこのままの身体状況で生きていくのだと認識した時期はそれぞれ異なっており、全員がその時期に「ショック」や「落ち込み」などと言う表現で、これまで通りの生き方はできない自分の状況を悲観したり悩んだりする体験をしている。また、回復の過程においてこれまでの自分の生き方(あるいは健康管理の仕方)と照らし合わせながら人生における発症の意味を自分なり整理してその後の生き方を方向付けており、その意味づけは、各自の身体の回復状況、性格特性やそれまでの生活史や健康管理方法などと深く結び付いていることが明らかになった。 以上より患者が自分の病気(障害)体験をどのように意味づけているのかとその時期を把握することは、脳卒中患者のよりその人らしい生活の再築を支援する看護介入に有用であると考えられた。この結果から、現在、定期的に今後の生活をその時点でどう考えているのか聞き取るという介入を検討・実施し評価する予定である。
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