2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性腫瘍に関する知識普及のための看護教育プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
20592547
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
村上 好恵 Tokyo Metropolitan University, 人間健康科学研究科, 准教授 (70384659)
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Keywords | 家族性腫瘍 / 遺伝看護 / 看護教育プログラム / 遺伝相談外来 / 遺伝カウンセリング / 教育カリキュラム |
Research Abstract |
近年の分子遺伝学の発展により、がん患者や家族をとりまく医療は急速に変化している。しかし、わが国では看護基礎教育において遺伝学や遺伝性腫瘍、遺伝看護などに関して統合されたカリキュラムが提供されている教育機関はほとんどないため、がん医療に携わる看護師が遺伝性腫瘍やそのような家系の患者や家族へのケアに精通しているとは言い難い。そこで、遺伝性腫瘍の医療の均てん化を目指すために、看護師に対する遺伝性腫瘍の知識の普及のためのがん遺伝看護教育プログラムを開発することを目的としている。本年度は、プログラム案を作成するために、医療職の遺伝性腫瘍に関する関心度や国内外の文献検討により必要と思われる教育項目の抽出を行った。 国立がんセンターがん対策情報センターが主催しているがん診療連携拠点病院の相談支援センター相談員基礎研修会で「家族性腫瘍の患者および家族への対応」の講義を聴講した90名(看護職38名、ソーシャルワーカー38名、臨床心理士など4名)全員が、家族性腫瘍に関する知識の必要性や関心度の高さを述べていた。CHINAHL、PubMed、医中誌を用い、キーワードに「家族性腫瘍」、「教育カリキュラム」、「看護」をかけあわせて文献検索を行った結果、1.家族性腫瘍の基礎知識(A.遺伝性腫瘍と原因遺伝子、B.生殖細胞と体細胞の遺伝形式の特徴、C.遺伝性腫瘍の特徴および疫学)、2.腫瘍遺伝学(A.家族性大腸がん、B.網膜芽細胞腫、C.多発性内分泌腺腫症、D.家族性乳がん・卵巣がん)、3.遺伝に関する情報を活用した看護実践と遺伝カウンセリング、4.倫理的・法的・社会的諸問題への対応、の4項目が抽出された。今後は、得られた項目の内容検討、プログラム素案の作成と実施、と引き続き行っていく予定である。
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Research Products
(7 results)