2009 Fiscal Year Annual Research Report
胃がんで手術を受ける患者のセルフケア支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20592548
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高島 尚美 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (00299843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 知映 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20425432)
野中 麻衣子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90553404)
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Keywords | 周手術期看護 / 胃がん患者 / セルフケア / QOL |
Research Abstract |
本研究の目的は、胃がんで手術を受けた患者のセルフケア状況およびQOLを調査することで、回復支援プログラムを開発し介入することである。そのことで退院後のQOLを高める看護を検討したいと考えている。 平成21年度は、それまでに実施した調査結果の分析をすることで、セルフケア支援プログラム作成のために必要な課題を検討した。胃がんで手術を受け退院した患者のセルフケアとQOLに焦点をあて、外来において20名に対し術後2カ月まで、2回以上の患者調査を行った結果、食事の困難さのみではなく、倦怠感や身体的QOLの低さがあることが明らかとなった。対象の平均年齢は62.67(SD:12.32)歳であり、胃がんで手術を受けた患者の術後1ヶ月での困難さは「怖くて食べられない」等<食行動について>や、「疲れやすくて困る」等の<倦怠感・易疲労性><術後の体重減少><創部><症状>であり、それらへの対処は、<体力維持>および<倦怠感に対するセルフケア><食事に対するセルフケア><情報の探索>を自力で試行錯誤していた。術後約2ヶ月を経過しても個別的に、食事と運動の課題を抱えている状況があった。医療者へのニーズとして、術後1カ月は<栄養指導>を含む<退院時の指導内容>を参考に対処していながらも、より個別的で具体的な指導を望む患者が多かった。また、QOL評価において、国民標準値との比較では術後2カ月を経過しても、PF(身体機能)・RP(役割機能)・PCS(身体的要素)が有意に低い結果であった(p<0.05)。食事のみならず身体的活動に関するQOLが低下していた。したがって、平成21年度は、新たに胃がんで手術を受けた患者のQOLと身体活動量の関連を調査するための研究チーム(消化器外科医、リハビリテーション医、精神科医を含む)を形成し、研究計画を立案し倫理委員会の承認を得て、データ収集の準備を実施した。
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