2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃がんで手術を受ける患者のセルフケア支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20592548
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高島 尚美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00299843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 知映 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20425432)
野中 麻衣子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90553404)
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Keywords | 周手術期看護 / 胃がん患者 / QOL / 活動量 / セルフケア |
Research Abstract |
本研究の目的は、胃がんで手術を受けた患者のセルフケア状況およびQOLを調査することで、回復支援プログラムを開発することである。 平成21年度までに実施した調査結果の分析をした結果、胃がん手術後2ヵ月までの対象者は、消化器症状や食事行動獲得の困難さのみでなく、倦怠感や身体的QOLの低さがあることが明らかとなった。そこで平成22年度は、胃がんで手術を受ける患者14名に対して実際の活動量(活動量計の装着による)と倦怠感や消化器などの症状ならびに心理社会的状態や食事摂取状況、睡眠状況、QOLの調査を術後約2ヵ月の時点まで実施した。 胃切除周術期患者14名の心理的状態についてHADSを用いて調査した結果、術前は14名中抑うつ1名で不安が2名、退院時は抑うつ不安共2名、術後1カ月は抑うつ1名、2カ月後は抑うつ1名、不安2名で疑診が4名と増加傾向であり、QOL全般と関連があった。これら心理状態の影響因子として、胃全摘術・既往歴有・消化器症状(つかえ感、食後の腹部ぼう満感、胃もたれ)・疲労感があったが、著しい体重減少や栄養状態の不良や活動量低下はみられなかった。先行研究では、男性や高齢者の抑うつが指摘されたが今回は年齢や性別との関連はなかった。外来において患者の疲労感や症状の有無を継続的に把握することでQOLや心理的状態を推測できると考えられる。 胃癌で胃切除を受けた患者のQOLを高めるためには、術後の消化器症状を軽減できるような対処を退院前から継続的に教育支援する必要がある。
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