2008 Fiscal Year Annual Research Report
集中治療室での終末期場面における意思決定と看護師の介入との関連
Project/Area Number |
20592550
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
木下 里美 (高野 里美) Kanagawa University of Human Services, 保健福祉学部, 講師 (60315702)
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Keywords | 集中治療室 / 終末期 / 看護師 / 意思決定 |
Research Abstract |
1.ICU領域看護師への面接調査の実施:ICU領域の看護師が、患者の生命危機状態や終末期において、患者や家族、医師の意思決定場面でどのような介入を行っているのかを明らかにするために、8名のICU領域の看護師に面接調査を実施した。治療の決定場面においては、治療方針に疑問を持ちながらも、治療の決定権は医師であるという考えから、積極的に介入できない場面や、逆に積極的に話し合おうとする場面に分かれた。患者に対しては意識レベルの問題から意思決定に関われないことの葛藤や、家族に対しては、何もできないと思いながらも、看護師としてできることを模索しながら介入を行っていた。 2.自記式質問紙調査のための調査用紙の作成:ICU看護師の終末期ケア困難感と看取りの評価と、患者家族や医師との関係、終末期ケア体制等との関連を明らかにする目的で、自記式質問紙調査用紙を作成した。上記の面接調査の結果と過去の研究成果を元に、調査項目の抽出を行った。調査項目には、著者が作成した「ICU看護師の終末期ケア困難感尺度(信頼性妥当性は確認済)」の他に、患者・家族ケア実施の認識に関する項目、医療者間との関係に関する認識などの質問項目を作成した。また、ICUでの看取りの評価の指標が国内にはないため、海外で開発された、ICU版Quality of Dying and Deathを使用することとし、作成者からの翻訳の許可を得た。平成21年度は作成した自記式質問紙を使用し、ICU領域勤務の看護師に調査を実施する計画である。調査により、ICU看護師の終末期ケア困難感への対応策を講じ、ICU版QODDによりICU看護師の看取りの評価を明らかにし海外との比較することで我が国での課題を考察する予定である。
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