2009 Fiscal Year Annual Research Report
集中治療室での終末期場面における意思決定と看護師の介入との関連
Project/Area Number |
20592550
|
Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
木下 里美 (高野 里美) Kanagawa University of Human Services, 保健福祉学部, 講師 (60315702)
|
Keywords | 集中治療室 / 終末期 / 看護師 / 意思決定 |
Research Abstract |
1.集中治療室(ICU)看護師の終末期ケア困難感と看取りの評価に関連する要因の調査票完成、及び、ICU版QODD(Quality of dying and death)尺度の作成:平成20年度に作成した調査票のプレテストを50名に実施し本調査での質問項目の選定を行った。ICU版QODD尺度は作成者から翻訳の許可を得た後に、研究者2名でそれぞれ和訳・照合をし、プレテストに我が国にそぐわない項目を削除した。逆翻訳に作成者に確認し、翻訳内容及び項目の削除に関し了承を得た。結果として「痛みのコントロールはされていた」「身体症状のコントロールはされていた」等の12項目を決定した。 2.本調査の実施:病床数500以上のICUを所有する315施設に調査依頼をし、施設背景に関する調査は102施設から、個人用調査票では110施設1580名の協力を得た。データ入力を終了し現在分析のである。施設での終末期ケアに関する取り組みでは、終末期患者や家族の相談窓口が病棟外にある施設が53施設(52%)で、緩和ケアチームやがん看護相談窓口などが挙げられていた。遺族ケアの実施では、9施設(8.8%)の回答があり、電話や手紙、エンゼルケアなどが挙げられていた。病棟での対策としては、看取りの環境を整えることや、多職種、他部門との連携、面会時間の配慮、家族ケア、遺族会の紹介などが挙げられていた。それぞれの調査内容の関連について現在分析中である。 3.面接調査内容の分析:看護師の面接内容からICUでの終末期患者に対する看護に着目しケア実践を分析した。患者が良き看取りを迎える援助として、「元気だった頃の外観に近づける」「苦痛を最小限にするケア」「患者の好みを取り入れる」「終末期や入室期間にかかわらずケァを充実させる」「一人の人として敬意を持って接する」などが抽出された。現在、家族へのケア実践内容、家族の意思決定への看護介入について、分析中である。
|