2010 Fiscal Year Annual Research Report
集中治療室での終末期場面における意思決定と看護師の介入との関連
Project/Area Number |
20592550
|
Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
木下 里美 (高野 里美) 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (60315702)
|
Keywords | 集中治療室 / 終末期 / 看護師 / 意思決定 |
Research Abstract |
平成21年~22年に実施した自記式質問紙調査結果から「ICU看護師の看取りの評価(ICU版QODD尺度)」と「終末期ケア困難感尺度」との関連要因を分析した。ICU看護師の看取りの評価尺度(ICU版QODD尺度)は、再調査信頼性を確認するための調査を実施した。「ICU看護師の看取りの評価」では、患者が亡くなる前に受けていた看護や医療に関するICU看護師の認識や、終末期ケア体制に関する困難感との関連が示唆された。また、終末期ケア体制に関する困難感は、同僚看護師・医師との話し合いや相談に関する認識との関連が示唆された。また、患者や家族の意思や希望、看護師の治療決定への関与などの、終末期医療における治療決定に関する認識では、「治療優先から終末期ケアに転換することの困難感」との関連性が示唆され、患者や家族、看護師が治療の決定に関与しているという認識が高い方が、困難感が低くなることが推察された。終末期ケアの自信に関しては、ICU以外の勤務経験・終末期ケア経験が自信に繋がることが推察された。 ICU看護師の面接調査の結果から、家族へのケア実践内容と家族の意思決定へのケア内容を分析した。家族ケアについては「家族の状況を見極める」項目とそれた対するケア内容が抽出できた。患者の治療の決定に関しては「家族と共に治療方針を再考する」「看護スタッフ・医師・他の医療従事者とのチームワーク」「家族と医師の間への仲介」が挙げられた。治療の継続については、患者自身が療養前に延命治療を拒否していたとしても「患者の意思よりも家族の希望を優先せざるを得ない」ということに、ジレンマなどを感じていた。また、亡くなられた患者の家族ケアの評価を難しいと感じる「家族ケアの評価の難しさ」が挙げられた。
|