2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん医療におけるEBNと臨床実践のgapと波及モデルの開発
Project/Area Number |
20592564
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 香 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 助教 (80459247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
市川 和可子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (70322344)
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Keywords | がん / エビデンス / ガイドライン / フォーカスグループ |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的はガイドラインと臨床実践とのギャップの明確化とその要因を構造化し、波及モデルの開発を行うことである。初年度は研究の基礎段階としてEBNの手法に基づいて開発したガイドラインと臨床実践とのギャップの内容や要因を明らかにすることを目標とし、EBNの手法に基づいて開発されたガイドラインが臨床で適用されているのか、否かなど臨床の状況やニーズ、課題を明らかするためにインタビュー調査を行った。【方法】「外来がん化学療法における看護ガイドラインの開発と評価:ガイドライン試案(2003-2005,厚生科研)」を基盤に、今年度は第3次検索(2005〜2008年)を行い、その結果を追加し、ガイドラインを開発した。フォーカスグループインタビューは、このガイドラインを用いて実施した。分析方法は質的内容分析とした。【結果、考察】インタビューは認定看護師と同等レベルとみなされる看護師11名を対象に2グループに分かれて実施した。ガイドラインが臨床で実践されにくい主な課題は<看護師はエビデンスやガイドラインについて関心が低い><主治医の判断で治療が変化するため、看護師がエビデンスを活用する機会がなく、要請もされていない><エビデンスよりも情報発信者の著明度や専門病院のブランドによって情報の信頼性が高まる><日常的な業務、方法を覆すことへの医療者の抵抗感や不安>などに分類できた。他方、臨床で実践されるための方略はく診療報酬に関連すること>が挙げられ、また研究者へのニーズは<臨床の医療者へガイドライン等の知識の提供、教育の推進><易しく、わかりやすいガイドラインの作成>であった。【結論】臨床実践に反映されるガイドラインの開発が不可欠であり、そのためには、ガイドラインを実践する医療者の見地から、臨床のニーズや課題を十分にふまえ、普及する方略を検討し、波及モデルの開発をする必要がある。
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Research Products
(2 results)