2010 Fiscal Year Annual Research Report
腎不全患者の動静脈瘻造設後の血管育成に及ぼす運動に関する研究
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20592567
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
新谷 惠子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (10324039)
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Keywords | 慢性病看護学 |
Research Abstract |
本研究は、先行研究の新規AVF造設者に対する運動効果の検証に基づき、AVF造設後のAVF育成に適切な運動時期と期間および合理的な運動内容について明確化することである。さらに看護支援方法を検討することである。 H20年11月より県内の1施設から承諾が得られ、H21年2月より協力者1名を得て研究を開始するも中途で協力が得られなかった。その後も予定施設の協力が得られず、介入症例を県外(岐阜県)に移したところ、H21年10月からH23年4月までに11名の協力を得た。その結果、AVF造設後のAVF育成に適切な運動時期は術直後ないし翌日から1-2か月までの期間で、内容は無理しない程度・範囲の掌握運動の継続行動により大幅な血管断面積、血管径、血流流速が得られた。 一方、日本透析医学会施設会員へのAVF造設後の患者管理調査を1000件(回収450施設)実施した。その結果、シャント造設後は掌握運動を416件(92.4%)で奨励し、運動目的は血管の発達促進で271件(60%)あった。運動効果の評価では「基準なし」が92件(20%)、「基準あり」でシャント音52件(12%)および血流量54件(12%)にて判断していた。 また、維持透析患者のAVF造設等に対する自己管理を調査した結果では、掌握運動の自己管理行動は、維持透析治療に重要な自己管理姿勢に影響が認められた。 以上、11名の運動介入評価および全国調査について報告書にまとめ、自己管理意識について公表した。 今回検証できた運動内容および時期について、看護支援の提供をする際の根拠としAVFの再建術など、結果的に患者に生じる身体的苦痛や経済的負担などの減少に貢献し、患者のQOLの向上に寄与すると示唆できた。
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