2009 Fiscal Year Annual Research Report
継続ケアが必要な慢性疾患患児をもつ母親の社会的支援ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
20592570
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北宮 千秋 Hirosaki University, 大学院・保健学研究科, 講師 (10344582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 とも子 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (10110412)
鈴木 光子 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 講師 (90113810)
扇野 綾子 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (70400140)
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Keywords | 慢性疾患患児 / 母親 / ソーシャルサポート / ストレス / 主観的幸福感 |
Research Abstract |
小児慢性疾患を有する子どもは、病気によってはその病気とともに様々な医療・保健・福祉・教育のもとで数年または生涯生きていくことを余儀なくされる。従って、慢性疾患患児と保護者への支援においては、継続的ケアシステム作りを構築することが、子どもと保護者の生・生活の質を保証するうえで重要な課題である。 今年度は、倫理委員会の承認を得て、保護者へのケアシステム構築のために、慢性疾患患児が通院する病院外来において、母親を対象とした質問紙調査を実施した。調査内容は、母親のストレスおよび主観的幸福感、家族および医療従事者からのソーシャルサポートなどとした。調査期間は2か月で、調査者が直接外来で調査票の記入を依頼した。回収は留置または郵送とした。 調査協力者は189名であり、子どもの年齢は、0歳から21歳であった。また、疾患も多岐におよんでいるため、今後、年齢別、疾患別に分析を行うため、継続して調査する予定である。 調査結果は分析段階ではあるが、ストレスと主観的幸福感との中程度の負の相関(r=-0.582)がみられた。また、ストレスとパーソナリティ特性である他者依存性の2つの下位尺度ともそれぞれ中程度の相関(r=0.531、r=0.477)があり、この他者依存性下位尺度と主観的幸福感には負の相関(r=-0.289、-0.309)がみられた。ストレスとサポートの関係については、夫のソーシャルサポートとストレスは負の相関が認められた(r=-0.262)ものの、実母、義母については有意ではなかった。医療従事者である医師、看護師の療育サポートはストレスと負の相関(r=-0.199、-0.289)が認められている。 面接調査協力者34名の同意を得ることができ、次年度に面接調査を実施していく準備がととのった。
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