2009 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害を看護支援するペアレントトレーニングの研究
Project/Area Number |
20592571
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
横山 浩之 Yamagata University, 医学部, 教授 (40271952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 三恵子 東北大常, 大学病院, 医員 (60447133)
奈良 千恵子 東北大学, 大学病院, 助教 (50400354)
富澤 弥生 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (60333910)
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Keywords | 軽度発達障害 / ペアレントトレーニング / 注意欠陥多動性障害 / 自閉症 / 心の健康度 / 心の疲労度 / 広汎性発達障害 / 特別支援教育 |
Research Abstract |
今年度は、主として自閉症のペアレントトレーニングの開発とその実効性について検討した。 我々が開発した自閉症児の保護者に行うペアレントトレーニングは、子どもの家庭生活状況調査(RA BarkleyによるHome Situation Questionnaire)を、16項目中13項目で有意に改善させた。それのみならず、保護者の心の健康度・疲労度(SUBI)も有意に改善させた。また、保護者が最も改善したいと考えていた子どもの問題行動の程度を有意に改善し、保護者の困り感の改善に有用であった。 この成果の一部は、第20回太田のステージ研究会にて発表し、さらに平成22年度の日本小児神経学会にて発表する予定である。 また、昨年度作成した、集団に対して行い得るペアレントトレーニングの技法は、教育への応用が進んだ。第48回全日本特別支援教育研究連盟全国大会において、特別分科会が設けられ、1日かけて研修会がもたれた。さらに、小学館が発行する教育雑誌にも何度も特集として取り上げられた。 医療の分野においても、本技法を含めた軽度発達障害の治療的介入について、平成22年度の日本小児科学会の教育講演の招待を得るなど、本技法の重要性について、社会の理解が得られつつある。 集団に対して行い得るペアレントトレーニングの技法の有効性についても、現在検討を進めており、予備的な検討によれば、この手法により、発達障害がある子どもの行動のみならず、通常学級に在籍する周囲の子どもの行動も改善される。また、教師のメンタルヘルスに対しても、好影響を与えることが予測されており、うつ病などの精神性障害により休職を余儀なくされる教師が急増している教育現場に対して、福音となることが考えられる。
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