2010 Fiscal Year Annual Research Report
小児糖尿病患児へのメンタリングを用いた介入プログラムの効果に関する研究
Project/Area Number |
20592583
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
薬師神 裕子 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10335903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 慶子 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40263925)
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Keywords | メンタリング / メンター / メンティー / 看護介入 / 1型糖尿病患児 / 思春期 / 介入プログラムの評価 / 介入プログラムの評価 |
Research Abstract |
1.研究目的:(1)青年期1型糖尿病患者のメンターとしての経験を明らかにする。(2)介入プログラムの評価を行う。 2.研究方法:メンターの効果側定には,属性,一般性自己効力感尺度、メンター尺度を使用し,Friedman検定を行った。介入セッション後1か月と6か月に面接調査を実施し,メンターの経験を質的記述的により分析した。プログラム評価については,12か月後に思春期及び青年期患者から回答を得て内容分析を行った。 3.研究成果:(1)メンターの一般性自己効力感尺度の得点は,介入セッション前後で有意な上昇を認めなかった。メンティーへの親密性を示すメンター尺度の総得点は,介入セッション後6か月以降に低下した。(2)青年期患者が行ったメンタリングは,メンティーとの関係性が発展したパターンと,関係性が途絶えたパターンの二つの局面があることが明らかになった。関係性が発展したパターンは,【かかわり方に戸惑う】【かかわりを続けるための連絡方法を工夫する】【かかわりを促進するための背景を活かす】【関心を示し自然体でかかわる】【かかわり続ける】【状況を把握し自己管理上の悩みを理解する】【自分自身の体験を正直に語る】【気遣う】【気持ちを察し受け止める】【頑張りを認め喜びを共有する】【判断力を育て自己決定を促す】の11のカテゴリーで構成されていた。一方,関係性が途絶えたパターンは,【かかわり方に戸惑う】【連絡に苦慮する】【メンタリングの効果に疑問を感じる】【関係性の発展に困難感を抱く】【かかわりが途絶える】の5つのカテゴリーから構成された。そして,青年期患者は,【かかわり続ける】【メンティーの頑張りを自分の励みにする】【病気を理解しあえる仲間の存在とつながりを大切にする】【糖尿病と向き合う】【メンターとしての責任感と役割を自覚する】といったメンターとしての経験により支援者としての【新たな自分の可能性を発見する】成長がみられていた。(3)介入プログラムの評価として、介入セッションは「身近な事例に強い共感を持ち取り組めた」「自己管理行動に対する自分の取り組みを振り返り,今後の意欲を生み出す機会となった」と,好評であった。また,継続メンタリングは「相談にのってもらえ安心できる」「励ましや有効なアドバイスがもらえる」「本音が言える」とメンティーは満足していた。一方,メンターは「連絡手段の改善の必要性」「連絡時間の調節と確保」などの課題と,6か月以降には「反応のないメンティーへのかかわりに関する困難性」を指摘していた。メンターへの看護援助内容では,「メンター自身のゆらぎを支えメンターとしての機能が果たせる状況に整える援助」,「メンティーとメンターの関係をつなぐ援助」,そして,「メンターの聴くかかわりを支持し,かかわりの中でメンターが意識していない支援内容を可視化させる看護援助」が重要であった。
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Research Products
(3 results)