2010 Fiscal Year Annual Research Report
地域を基盤とした低出生体重児予防への妊婦の健康および保健行動支援システムの構築
Project/Area Number |
20592585
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上田 公代 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (20145345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 厚 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 名誉教授 (10040198)
尾道 三一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 名誉教授 (70112406)
原田 幸一 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (00094029)
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Keywords | 低出生体重児 / ストレス / 前向きコホートスタディ / 妊娠前体重とBMI / 妊娠合併症 / 妊娠のライフスタイル / 地域特性 / ソーシャルサポート |
Research Abstract |
【目的】低出生体重児と関連が強かった妊娠関連のストレスに焦点をあて、妊娠期のストレス自覚と心の健康自己評価質問紙(WHO)および妊婦の生活調査票(ライフスタイル)の項目を前向きに調査(観察研究)し、アウトカムとして出生体重との関連を分析する。 【方法】1)調査対象と方法:妊婦(追跡目標数400名)。選出基準にあった妊婦の初期(妊娠第16週まで)・中期(16-27週・末期(33-34週),出生、までを追跡し、妊娠の各期に心の健康自己評価質問紙(WHO)および妊婦の生活質問紙調査を行う。児の出生体重は病院よりデータを得る。2)分析:有効回答数573名を妊娠3期別に分析した。出生本重群の比較は、低出生体重児群(10名)、正常児群(124名)間で行った(Wilcoxn検定)。 【結果】1)573名の妊娠3期別による、心の健康度と心の疲労度の比較では有意差はみられなかった。しかし、サブ項目の「家族不安」では前期が末期より高く有意差がみられた(P<.05)。同様に妊婦のライフスタイルでは「妊娠に関するストレス」と「職場の満足度」「生活習慣」は、前期が中期と末期より低値であった。「日常ストレス」、「仕事、地域、医療の各サポート」,「生活満足度」に有意差はみられなかった。出生体重群別では、「心の健康度」と「心の疲労度」の相関係数(Spearman(p)は、正常児群は0.35(p<.0001)で弱い関連であった。一方、低出生体重児群のそれは、-0.58(p=0.07)であり,両群の心のあり様は異なっていることが示唆された。また、全体の「心の健康度」と「心の疲労度」は両群に差はみられなかった。しかし、低出生体重児群は正常児群より、下位尺度である丁達成感」が低い、「社会的つながり」の不足が有意にみられた。ライフスタイルには両群の差はみられなかった。
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