2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592586
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
穴井 孝信 Oita University, 医学部, 教授 (00202648)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 史子 大分大学, 医学部, 准教授 (10315195)
|
Keywords | 遷延分娩 / 初産婦 / 経産婦 / 新生児体重 / 妊婦体重増加量 |
Research Abstract |
初産婦の平均分娩所要時間は11時間52分で約12時間である。現在の遷延分娩の定義である30時間は、対象339人において97パーセンタイル値に相当し、かなり重度の遷延分娩のみを現在は遷延分娩と定義していることになる。一般に異常値カットオフに用いられる95パーセンタイル値は26時間27分であり、約26時間30分に相当し、現在の定義よりは3時間30分短縮する。遷延分娩に関係すると思われる母体年齢、身長、妊娠期間、出生体重、妊娠前BMI(body mass index)、妊婦体重増加量の各因子をロジステック回帰分析にて解析すると、妊婦体重増加量のみが有意(P=0.006)に遷延分娩に寄与する因子であった。調整オッズ比は1.2(95%信頼区間1.05-1.37)であり、体重が1kg増加する毎に遷延分娩のオッズ比が1.2増加することになる。 経産婦の平均分娩所要時間6時間1分で約6時間である。現在の遷延分娩の定義である15時間は、対象388人において97パーセンタイル値に相当し、初産婦同様に重度の遷延分娩のみを現在の定義は遷延分娩と認定している。95パーセンタイル値は12時間23分で、約12時間30分に相当し、現在の定義よりは2時間30分短縮する。遷延分娩に関係すると思われる母体年齢、身長、妊娠期間、出生体重、妊娠前BMI、妊婦体重増加量、および経産回数の各因子をロジステック回帰分析にて解析したが、有意に関係する因子を認めることはできなかった。 遷延分娩の予防策として、初産婦は妊婦体重量の増加防止策が有効であるが、経産婦では現在のところ見いだしていない。これは今後の検討課題である。
|