2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592586
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
穴井 孝信 大分大学, 医学部, 教授 (00202648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 史子 大分大学, 医学部, 准教授 (10315195)
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Keywords | 遷延分娩 / 初産婦 / 経産婦 / 新生児体重 / 妊婦体重増加量 |
Research Abstract |
正常頭位単胎妊娠で経膣分娩であった1301例(初産婦660例、経産婦641例)を対象にした。平均分娩時間は初産婦10時間59分、経産婦5時間42分であった。分娩時間の90%タイル値は初産婦19時間40分、経産婦9時間51分で、遷延分娩定義は分娩時間が初産婦では30時間、経産婦では15時間を超えるものと定義されているが、これはそれぞれ98%タイル値と97%タイル値に相当した。 分娩時間が80%、85%、90%、95%タイル値を越えた場合の5分Apgar scoreを計算し越えない場合の5分Apgar scoreとMann-Whitney-U検定で比較した。 初産婦の分娩時間が80%、85%、90%、95%タイル値を越えた場合の5分Apgar scoreはそれぞれ、9.6、9.5、9.4、9.2であったが、90%タイル値と95%タイル値を越えると、越えない場合と比較して有意に(それぞれP=0.022,P=0.007)低値となった。90%タイル値である19時間40分、概算で20時間を超えると有意な5分Apgar scoreの低下傾向を認め、現行の遷延分娩定義は見直す必要性を認めた。 経産婦の分娩時間が80%、85%、90%、95%タイル値を越えた場合の5分Apgar scoreはそれぞれ、9.5、9.4、9.4、9.4であったが、85%タイルを越えると、越えない場合と比較して有意に(P=0.032)低値になった。しかし、90%、95%タイル値を越えても有意差はなかった。経産婦の場合は初産婦と異なり、分娩時間が延長しても5分Apgar scoreの低下傾向は認めず、現行の遷延分娩の定義時間である15時間を過ぎると、5分Apgar scoreは有意に(P=0.043)低下してととから定義の見直しの必要性は乏しいと考えた。
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