2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の子どものグリーフケアに関する看護師の教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20592605
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小島 ひで子 Kitasato University, 看護学部, 准教授 (50433719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木元 理恵 北里大学, 看護学部, 講師 (30363782)
石井 真 北里大学, 看護学部, 助教 (70338002)
古屋 悦世 北里大学, 看護学部, 助手 (00458754)
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Keywords | がん患者 / 子ども / グリーフケア / 教育プログラム |
Research Abstract |
本研究目的は、がん専門病院看護師に対し、がん患者の子どもの予期悲嘆ケアへの意識および、ニーズを明らかにすることである。調査票を作成し、本大学倫理委員会の承諾を受け、首都圏3か所のがんセンターに勤務し、子どもをもつがん患者の看護経験のある看護師440名に調査票を郵送配布し、368名の回答が得られた。(有効回答は83%)その結果を以下の通りであった。 1.がん患者の子どもを含む家族ケアは、ほとんどの看護師が重要と意識していた。しかし実施していたのは62%で、28%が実施することが難しいと述べていた。その中で理由として「子どもへの接し方がわからない」「何をしたらよいかわからない」が計37%を示した。 2.がん患者の家族の予期悲嘆について、85%の看護師が気づいていた。配偶者の悲嘆反応は、「表情が暗い」「予後生活への不安」等、子どもは「暗い表情」で「元気がなく」、「面会時間が少ない」のに「楽しそうに話していることが多い」が各々高値を示した。ケアは、両者共「意識的に声をかけ」「患者の様子を知らせる」が高値だった。 3.看護師の74%が、配偶者から子ども相談を受けており、内容は「病状説明に関すること」が59%を示した。 4.親の看取り時の子どもの悲嘆反応は、配偶者同様「ショック」を受け「泣く」が高値を示したが、それ以外低値であった。ケアとして、配偶者同様「別れの時間を設け」「死後の処置を確認」していた。しかし「死後の処置を一緒にする」「共感する言葉」「生前の話をする」等は、配偶者ケアの約50%を示した。 5.看護師が子どものグリーフケアに際し、必要としていた教育内容は以下の項目が高値を示した。 (1)親の終末期〜死に直面した時の子どもの悲嘆ケア(2)子どもの死の理解と予期悲嘆(3)喪失後の悲嘆と死別ケア以上より看護師は、がん患者の子どもヘグリーフケアへの意識は抱きつつも、子どもの悲嘆の特徴を踏まえた実践が難しい状況である事、その改善に必要な教育項目を把握することができ、教育プログラム作成への示唆が得られた。
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