2008 Fiscal Year Annual Research Report
早期産児の睡眠覚醒リズムの発達と育児ストレスに関する縦断研究
Project/Area Number |
20592610
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
安積 陽子 Konan Women's University, 講師 (40336847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 哲 神戸大学, 医学部, 教授 (10216658)
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Keywords | 睡眠覚醒リズム / 育児ストレス / 看護学 |
Research Abstract |
研究目的は、早期産児の睡眠リズムの特徴を正期産で出生した児との比較から明らかにすることである。 対象:修正月齢12か月前後の乳幼児で、次の条件を満たす者とした。早期産群は、在胎週数32週未満あるいは体重1500g未満で出生した発達経過順調である児。正期産群は、在胎週数37週以降42週未満で出生した健康な児。 方法:三次元加速度センサー(米国A.M.I社製、Actigraph、Micro Mini RC型)を、児の足首に1週間連続装着した。同期間中母親は睡眠日誌を記載した。Actigraphから得た体動データをもとに睡眠指標を算出し比較した。また、月齢進行に伴う睡眠変化の把握のために、両群とも平均月齢を基準に二群に分け睡眠指標を比較した。 結果:修正12か月前後の早期産群の夜間睡眠時間は正期産群に比べ有意に短いが、睡眠の質には差がなかった。また、早期産群は正期産群よりも、睡眠時間帯における身体活動量が有意に多かった。月齢進行に伴う睡眠変化は、(1)総睡眠時間は、早期産群で延長が認められたが、正期産群には変化はなかった、(2)両群ともに、夜間覚醒時間は減少し、睡眠効率と夜間最長睡眠時間は増加した、(3)身体活動量は、早期産群の方が両時点ともに有意に高かった。 結論:修正12ヶ月前後の早期産群の睡眠時間は、正期産群に比べ有意に短かった。また、睡眠中の身体活動量が多いことから、正期産群よりも睡眠の発達が未熟であると推測された。これらの特徴は、月齢変化に伴い発達的変化を示し、夜間睡眠時間は修正月齢13か月以降に正期産児にキャッチアップした。しかし、身体活動量は、早期産群で高い値を維持しているため、今後の変化を追跡するとともに、将来のADHDなど発達障害との関連性について検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(5 results)